内容説明
梶原とあかりは同期入社で、同い年だった。二人がふとしたことから男女の関係をもってから、何年にもなる。そのあかりの話では、最近吸収合併された会社からきた小林が、内部事情や業務内容についてやけに詳しいという。仕事や付き合いで睡眠時間もないはずだから、精神集中剤を常用して勉強しているのではないかと職場で噂されているという。彼の顔を知る梶原はちょっと気にかかる―(表題作)。他七篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hirayama46
5
タイトルからは想像できなかったのですが、表紙にあるようにサラリーマン小説なんですね。雑誌掲載は94~96年、バブルがはじけてのち、不景気がすっかり染みついた時期でしょうか。そういうタイミングなのでみんなピリピリした切迫感があり、率直に楽しむにはちょっとしんどいところもありました。近い題材を扱いながらも見せ方がうまく、バラエティに富んでいるあたりはベテランの手腕を感じさせます。2020/05/30
けん
0
全然内容が古臭くなく、また、話中の幾つかは「世にも奇妙な」かなにかでみたこともあるし、この本が読まれていないのはとても残念である。とても面白かった。2015/02/22