内容説明
京都御所・寺町御門の警固にあたる御付同心久隅平八は、非番の日には、行商人や虚無僧、遊芸人などに身をやつして市中の諜報活動をする「市歩」だ。ある日、市歩の帰途立ち寄った店で、平八は奇妙な話を耳にした。しかも、翌朝、話しこんでいた男の一人が鴨川で殺されていたことから、平八は事件の真相を探り始めた…(表題作)。元禄期の京を舞台に、「市歩」平八の探索を描く傑作連作集。
感想・レビュー
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Akiko Nakano
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新たに読み出したシリーズ 主人公が魅力的!毎日忙しいので、こんな感じの連作が読みやすい。映像化されてるのかな?色っぽい場面が満載です。2023/11/14
きくちゃん
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これは面白い。冒頭に御付武士という職業の起源とその任務が説明されるが、特異な職業と京都という町の特殊性に加え禁裏というこれまた特殊な舞台が相まって、硬軟入り乱れた事件が展開する。その解決方法がきまり決まったものではなく、極めて京都らしいところに通常の勧善懲悪的ではない面白さがある。個人的には鬼の火が好きであるが、さて主人公は二条左大臣の別邸に火を放つという解決策にもならぬ始末をつけてこの物語は終わるが、これだけの暴挙をして黒幕がそのままやり過ごすだろうか?次作でこれを火種にした話が展開しそうな予感が・・2021/03/31