内容説明
なぜ日清日露戦争に勝てたのか?こんなことやってて…「拒否権」で見れば、今に続く日本政治の不甲斐なさの正体がよくわかる!教科書が絶対教えない憲政史の本当の真実とは?
目次
序章 世界一簡単にわかる帝国憲法の話
第1章 藩閥対自由民権―政党の源流は怨念にあり
第2章 右往左往の憲法政治への道
第3章 買収と裏切りの第一回議会
第4章 日清戦争への涙ぐましい努力
第5章 隈板内閣の悪夢
第6章 難産の政党政治
第7章 桂太郎、「ニコポン」で日露戦争を乗り切る
第8章 運命の年、明治四十年
おわりに―今、改めて日本憲政史を読み直す
著者等紹介
倉山満[クラヤマミツル]
1973年、香川県生まれ。憲政史研究者。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。国士舘大学日本政教研究所などを経て、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」を主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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南北
40
明治時代の日本憲政史を概観した本。政策が実現できないのは、政治家に指導力がないということもありますが、「拒否権」を持つ別の集団が政策の実現を阻止しているからだという場合があります。明治時代には衆議院が拒否権集団だったという観点で見ていくと、憲政史がわかりやすくなってきます。現代の政治を見る上でも拒否権集団が何なのかを考えることで見えてくるものがありそうです。2021/01/05
軍縮地球市民shinshin
20
なかなか面白い。所々に山川の教科書にでも書いてあるような「通説」が記されているが、それが如何に一面的なものかよくわかる。中高で教わる明治政治史って、自由民権派の左派史観なんだなぁ。。普段は「増税反対」「強硬外交」「軍備拡大」という当時の国民が聴いて「耳障りの良いこと」しか主張していない政党に内閣を任せたら(隈板内閣)、ハワイを助けるために対米開戦までやらかしそうになるなど、まさにムチャクチャで4ヶ月で瓦解というのは、似たような経験を我々は数年前にしたなーと思った。歴史は繰り返す。続刊を期待。2019/10/02
やす
9
ちょっと難しいけど、明治期の政府と議会の関係、政党の離合集散の構図を面白く知れる。2020/01/26
katsusann
4
結構なボリュームがあり、内容も難しいものでしたが、それにもまして面白かった。拒否権を見ていかないと正しい判断ができない。確かにそうで、それを行使させないための行動とか、取り込み作戦とか勉強になりました。ドタバタ状態で戦争になっていたり、本当にそんな状態で戦争に勝てたことが不思議だと書いてあったが、確かにそう思った。しかし、有事の際は一致団結する民族でもあるのだなと再認識した。紆余曲折があり、今の政治の状態がある。歴史を知るのは知識の厚みがましますね。2019/07/30
バジンガ
3
平民宰相といわれた原敬は、実はそうではなかった。初物好きの伊藤博文など人間くさい明治の政治家の激闘を楽しんで読めました。40年で政党政治を確立?したわが国は、すごいものです。2019/08/22