内容説明
英国の自然の象徴「グリーンマン」の伝説と民間伝承の妖精「炉端のロブ」をもとに、神秘的な存在と、都会に住む少女のふしぎなめぐりあいを描く物語。ガーディアン、カーネギー両賞のノミネート作。小学校高学年~。
著者等紹介
ニューベリー,リンダ[ニューベリー,リンダ][Newbery,Linda]
1952年イギリス、エセックス生まれ。1988年YA小説でデビュー。イングランド中東部ノーザンプトンシャー在住
平澤朋子[ヒラサワトモコ]
東京生まれ。武蔵野美術大学卒業後、フリーのイラストレーターとして児童書の挿し絵や装画、CDジャケットなどの分野で活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やすらぎ
134
ロブは歳を取らないからな。1年ごとに生まれ変わるから。真冬に老いても春になれば元気一杯。不思議だろう。でもルーシールーも同じだよ。…主を失った土地は、別の主に壊されていく。どうする?どこへいく?安らぎの木陰を探す2人。…鳥が巣ごもり、種が芽吹き双葉がはじける豊かな季節は、庭に魔法がかかる。ロブさん、どこにいるの?夢だったの?…おじいちゃんの匂いがする。あの頃を思い出す。緑の精ならきっとそこら辺にいるよ。そう、あなたはここにいる。…世界は不思議に溢れている。自然の気配を感じる時、緑の精に会えるかもしれない。2021/06/01
ぶんこ
59
田舎のおじいちゃんの庭で緑の精のロブに巡り会ったルーシーでしたが、おじいちゃんの死によって会えなくなり、ロンドンに来て欲しいと手紙を書きます。ロブは手紙は読みませんでしたが、誰かに呼ばれているような気がして、南へと歩き始めます。庭仕事のお手伝いをしてくれるロブを都合よく使おうと檻に閉じ込めたり、汚いからと追い出す人もいて、ロブは苦労しながらも市民農園に辿り着きました。緑や土を愛し、慈しむ人々。コーネリアスやルーシーと一緒に畑仕事をするロブは幸せそうです。草花の実りは、心を豊かにしてくれますね。2016/07/04
はる
53
ルーシーのおじいさんの庭には不思議な緑の精が住んでいて、おじいさんの畑仕事を助けてくれている。でもある日おじいさんは…。優しくて素敵なお話です。その姿が見える人、見えない人、見ようとしない人…。人の反応は様々ですが、私には見えるのかな。ふんわりとした読後感。平澤さんのイラストも可愛いですね。2016/06/17
mntmt
21
ロブさん、日本にもいるのかな。2016/04/19
杏子
19
こういう話は大好き。見える者にしか見えない、緑の妖精ロブと、おじいちゃんの庭が大好きだった少女ルーシーがふたたび出会うまで。失った素晴らしい庭と心地よい畑、自分が手伝える相棒を探して、遠い道をてくてくてくと、歩いていったロブ。見えない者が大半だけれど、中には見えていたのにいろんな理由で自分から見えないふりをしてしまう者もいる。それが大人になるということかもしれないが、悲しいことではある。2013/07/22