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プシスファイラ

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  • サイズ B6判/ページ数 338p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784198628239
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

「どういうことだ!誰かが勝手に別の名前で投稿したっていうのか?!」始まりは、若い雄クジラ、カイエが執筆した童話。自分たちクジラ類が言語を獲得するまでを語ったその寓話的作品が、第三者に不正にアクセスされ、無断でフォーラムに投稿される事件が発生した。時は紀元前八二六九年。クジラ類は、輻輳処理による発信制御と超音波通信によって、分散広域ルーティングによる独自のパケット交換網―コミュニケーション手段を構築していた。カイエの事件はやがて著作権裁判にまで発展するが、外部集団との論理的遮断というわだかまりを残し、終わる。そして二百年後、クジラ世界は、ある一頭の雌クジラ(彼女の名も、カイエ)の尽力により、あらゆる発信パターンに対する解釈を実現する『完全プロトコル』を実装した。ここに、自我の共有による統合思念体プシスファイラとしてのクジラ類が誕生した。さらに時は過ぎ、二十一世紀。人類は遂に、クジラ類とのコミュニケーションに成功する。そして、人類は…。驚愕の展開をみせる、本格SF巨篇。第10回日本SF新人賞受賞作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

えも

17
実は鯨類は1万年ほど前に超高度な知性と言語、しかもコンピュータのプロトコル的概念を持っていて、闘争の果てに各個体間の完全な意識の共有を達成しているという設定。そしてその後の人類との意識の融合やガイア的な地球生命体とのコンタクトなどへと続く▼という、かなり奇書なSFで、読みにくかったけど結構好きです。2018/01/02

konomichi

3
体言止めを多用される作家さんで、読んでてカイジとかアカギとかを彷彿とさせるのはいいことなのかどうかは分からないけど、TCP/IPネットワークの勉強になるんじゃないだろうか。2023/05/08

Pezo

1
鯨類のコミュニケーションをネットワークの用語で上書き、捏造して、彼らが作り出した意識を共有する共同体が発展していくさまを経時的に書いた話で、ここまで読めばわかるようにかなり力技。作者の主張が鼻についたり、誇大な描写にうんざりすることもあるけれど、きちんと読みどころも用意されている。とにかくこれが才能であることは間違いなく、はやく次作を書いてほしい。2017/07/29

t_hirosaki(t_hirosaki)

1
完全プロトコルって割と素で憧れる。カタロゴスを更新し続けるために生き続けるカイエを初めとしたクジラたちの意志は、雪風のブーメラン戦隊みたいにストイックで無感情でとても心地よい。仏教めいてきた最後らへんは何書いてるかわかんなかったけどw、面白かったです。遠慮なく羅列されたネットワーク用語に関しては職業柄特に引っかかることもない感じで。でも巻末の付録読むのすげーめんどくさいw2013/06/29

kuroari

1
巻末にヘルプがあるけれど参照しなくても、たぶん大丈夫。ネットワークやプログラミングに詳しくなくても(僕のように)、鯨類のコミュニケーション形式がインターネットに似ているということさえ分かれば、意味はなんとなく分かるし、壮大なバカ話として結構、楽しめるのではないかと思う。ただ後半のさらに後半の超展開は文章を映像化できなくなって、正直キツかった。2009/12/16

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