内容説明
十六歳のノラは、自分が生まれる直前に亡くなった姉がいることから、幼いころより死は恐ろしいものと思っていた。モルモットのロリ、犬のチクタク、アメリカの伯母、若い叔父―まわりで続くいくつもの死に、不安は増していく。ボーイフレンドや親友がさしのべる手も、ノラの心の奥深いところまで届かず、恐怖はじょじょに体の変調となって現れるようになる。そんなある日、父親の不倫をめぐる両親のケンカを耳にしたノラは、耐えきれず、大量の薬をのんでしまった。目覚めたところは、思春期病棟―心を病んだ少年少女たちが守られ、回復してゆく場所だった。ノラも、医師との面談や、仲間の少女との交流によって、しだいに自分をとりもどしてゆく。そして母との面会のさなか、ついに、ノラは抑えこんでいた感情を爆発させ…?繊細な少女の心の彷徨と再生を綿密な取材にもとづいて描き、静かな感動を呼び起こす一冊。10代~。
著者等紹介
フライ,ヤーナ[フライ,ヤーナ][Frey,Jana]
1969年4月、ドイツのデュッセルドルフに生まれる。五歳のときから文章を書きはじめ、大学では文学を専攻。故郷のドイツだけでなく、アメリカ、ニュージーランドをはじめ、世界各国に滞在して、作品を書いている。子どもや青少年向けの本以外に、テレビの脚本も手がける。現在は家族とともに、ドイツのヴィースバーデン在住
オスターグレン晴子[オスターグレンハルコ]
1958年生まれ。上智大学大学院中退。旧西ドイツとスウェーデンに留学。帰国後、新聞社勤務を経て、フリーランスの通訳・翻訳業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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