目次
序章 既存の歴史学が「本末転倒」であると断じる理由
第1章 世界史との比較なしでは、日本史の「特異性」が見えて来ない!
第2章 文明の個性が「宗教」に集約されるのはなぜか!?
第3章 日本人が知らない日本固有の信仰―それが「和」である!
第4章 歴史から失われた「真実」は、こうすれば突き止められる!
第5章 「武士」と「差別」の根源―日本人が最も忌み嫌う「ケガレ」とは何か!?
第6章 時代を超え日本人の歴史を貫く「言霊」の魔力
著者等紹介
井沢元彦[イザワモトヒコ]
昭和29(1954)年、名古屋市生まれ。早大法学部卒。TBS入社後、報道局放送記者時代『猿丸幻視行』にて第26回江戸川乱歩賞受賞(26歳)、31歳にて退社、以後執筆活動に専念。歴史推理・ノンフィクションに独自の世界を開拓。日本推理作家協会理事、BSフジ番組審議会委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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文章で飯を食う
11
「逆説の日本史」が通史なら、この本は、一つ一つの概念にまとめた"列伝"みたいなものといえます。たとえば、怨霊の話は菅原道真から忠臣蔵へと及びます。これはこれで、おもしろいですね。2010/12/10
Kaz
8
再読。和、言霊、怨霊信仰、穢れなど、井沢氏の主張する日本史に流れる原理を軸に、歴史と現代を交差させながら講座は展開する。「逆説の日本史」をコンパクトにした感じ。相変わらずわかりやすい。史実に忠実かどうかはともかく、これだけ論理立てた通史を説けることが凄い。2013/09/14
じゅむろりん
6
和と穢れというキーワードで日本の史実を振り返ると納得のいくことがあるのは事実。なるほどなあと感じながら読みました。どうかな?と思うような結びつけもありますが,井沢さんの話術でまとまっている感じはします。(「講座」ですからね・・・。)2012/08/04
演習家康くん
5
学校で教わる日本の歴史よりもこちらが先に教わるべきじゃないか?と考えさせられる一冊。日本人としてのアイデンティティはなんなのか?それは聖徳太子というひとりの人間がこさえた「十七条の憲法」によるもの。それよりも驚いたのは天皇家や貴族たちは「穢れ」として武力を放棄したこと。一見「平和」の象徴に思える出来事であるが、その根本には「穢には触れたくもない」というものがあり、その精神が「外注」を安易にし、自身たちの勢力をひっくり返されるお粗末な結末に。島流しにあった崇徳天皇は離れたことでこのことがよく見えたのかも。2013/08/05
Kolon
4
著者の逆説的日本史観はコペルニクス的転回だが、日本人の内面をこれ程までに的確に分析、解析し解説した人はいないだろう。 本書を読むと日本人としての自分の思考回路に、スーと腑に落ちる感覚がある。 2023/09/30