内容説明
全寮制の学校に通うサイモンは、ママが再婚した売れっ子画家ジョーの家で夏休みを過ごすはめになる。パパが死んだ今でも、強い軍人だったパパの方が絶対かっこいいと思っているサイモンは、新しい生活にどうしてもなじめない。うつろな気持ちで広いカブ畑を歩いていたとき、古い水車小屋を見つけ、強く心惹かれるサイモン。だが、その日を境に継父との関係はますます悪化し、ある日ついに「それ」が姿を現した。ぼろぼろの三体の「かかし」だ。かつて忌まわしい事件があった水車小屋に巣食っていた邪悪なものを、サイモンの孤独な心が目覚めさせてしまったのだ。日ごとサイモンたちの住む家に近づいてくる「かかし」。目の錯覚などではない。サイモンを待つのは、破滅か、それとも…。継父への憎悪を募らせるたび、追いつめられていく少年の心理を鮮やかに描く、イギリス児童文学の巨匠ウェストール、二度目のカーネギー賞受賞作。小学校高学年から。
著者等紹介
ウェストール,ロバート[ウェストール,ロバート][Westall,Robert]
1929年、イギリス・ノーサンバーランドに生まれる。美術教師として教えるかたわら、一人息子のために書いた処女作「“機関銃要塞”の少年たち」(評論社)がカーネギー賞を受賞、児童文学作家としてスタートする。「かかし」で二度目のカーネギー賞、「海辺の王国」(徳間書店)でガーディアン賞を受賞、「児童文学の古典として残る作品」と激賞された。未訳を含め、生涯に四十作近い作品を残した。1993年、逝去
金原瑞人[カネハラミズヒト]
1954年岡山市生まれ。法政大学英文学専攻博士課程終了。法政大学教授、翻訳家
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