内容説明
「千と千尋の神隠し」主題歌作詞者が贈る第1作品集!生きている不思議と死んでいく不思議を往き来する―21世紀の巫女が優しくうたう祈りのような物語、寓話のような詩。
目次
1 生きている不思議(鬼の素;雪解け ほか)
2 ゼロになる身体(三月のオペラ;電話 ほか)
3 死んでいく不思議(真夜中のオレンジ;水の冠、水の棺 ほか)
4 アプローズ
著者等紹介
覚和歌子[カクワカコ]
山梨県生まれ。早稲田大学第一文学部卒。大学卒業と同時に作詞家デビュー。以後小泉今日子、smap、沢田研二などポップスからジャズ、クラシックなどの日本語詞まで数百編を発表。1992年淡路島で、地元小学生と共演した実験詩朗読ライブをきっかけに身体表現としての詩に目覚める。その後、落語とのバトルライブ「噺詩の会」や舞、音楽、スライド映画などとの自作詩朗読パフォーマンス競演を国内外で展開。映画「千と千尋の神隠し」主題歌「いつも何度でも」作詞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
川口恵子
4
映画「千と千尋の神隠し」の主題歌、「いつも何度でも」の作詞で知られる覚和歌子さんの詩集。物語性あふれる長編詩の数々は、ふっと別の世界を覗いてしまったかのような怖さも感じる。巻末の谷川俊太郎さんのエッセイも、覚さんの詩の本質をぐっと掴んでいて素晴らしかった。オチがつきすぎてる作品も若干あるけれど、「ヤー チャイカ」「鬼の素」等、物語と詩が絶妙なバランスで溶けあっている作品もあり、読み応えのある一冊だった。2014/05/18
もちもむ
4
透明で瑞々しい死生観が、コップに張った水のように表面張力している。私も息をするように生きて死のう。2013/01/23
morizo
3
様々な生命の物語が詩的に詠われる短編集。 そのどの物語も、なさそうでありそうでやっぱりない設定がされている。 中にはややグロテスクな設定もあるのだが、そうした日常から一歩はみ出た世界を造ることによって、我々が通常見ている世界の在り方が新しい色を持って映し出されている。 その新しい色とは、生まれてはじめたものではない。 繰り返すあやまちの そのたび ひとは ただ青い空の 青さを知る 一度失われて、再発見された色。 世界が色褪せて見える時に、何度でも読み返したい本2006/07/16
ぼや
2
「いつも何度でも」の歌詞が好きでこの本も読んでみた。詩集って今まで読んだことないかも。でも詩というよりは散文のようで、ストーリーもあって、これが詩?いや、でもこれ詩だな、みたいな不思議な感触。読んでるときのリズムとか歯切れの良さが心地よくて、最近たまたま見た笠置シヅ子の買い物ブギーみたいと思った。よくわからない詩もあったけど、こんなに入り込んで泣きそうになりながら読むとは思わなかった。相性がいいのかな。表紙の絵?仮面?みたいなのが気持ち悪くて裏向けに置きがち。怖い。何だろうこれ。2021/12/27
MITOTA
2
谷川俊太郎さんの帯に惹かれ、詩集のつもりで購入。冒頭から予想を遥かに超え、最後の陶芸家の話には不覚にも涙。いい本でした。2021/03/31