内容説明
「映画を作りながら考えたこと」（１９５５～１９９１）のパート２！またまた高畑アニメの舞台ウラ。アニメーション映画監督・高畑勲の企画書、エッセイ、インタビュー、講演、対談等３７本を収録。「おもひでぽろぽろ」から「ホーホケキョとなりの山田くん」まで。
目次
１ 「ホーホケキョとなりの山田くん」のこと
２ 「おもひでぽろぽろ」のこと
３ 「平成狸合戦ぽんぽこ」のこと
４ 自然・里山・まち・都市
５ 人
６ 音楽
７ 宮沢賢治のこと
８ 子供のための映画について
９ いつか作品にしたい企画
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
富士さん
2
作品ごとに通時的にまとめられていたⅠが使いやすかったので、テーマ別になったのが多少残念でしたが、それでも濃い内容でした。個人的には、単純なアニメ平安時代起源説に与していると思っていた高畑さんが、すでにジャポニズム→グラフィックデザイン→コミックというより深いアニメ起源観を持っておられることが伺える記述があったのには驚きました。さすがプロフェッサータカハタ、その辺のクールジャパン筋とは深さが違う。しかし、どのルートからその結論に達したのかが分からないため、このテーマで一文書いて欲しかったと残念でなりません。2020/08/13
かめすけ
1
P62「田舎の景色というものは自然の物じゃない。人間が自然との共同作業でつくりあげたものなんだ」。おもひでぽろぽろでトシオに言わせているこの台詞は、高畑作品に通底する思想だ。火垂るの墓以後、満州を舞台に作品をつくるつもりが天安門事件で断念したというエピソードは衝撃だった。原作・しかたしん『国境』、監督・金秀吉でその遺志を継いで誰かつくらないかなあ。駿作品にくらべ地味？な立ち位置とみられる高畑作品をじっくり知れる本著。2023/09/18
Kenshi
1
「ただ安上がりにするためだと作る側が考えてやったテレビアニメの工夫が、本人たちが意識していなくても、ちゃんと日本の文化とか伝統につながっているんだという面白さなんです。｣2018/05/16
てったい北関東
1
重複する内容も結構あるが、高畑さんのアニメに対する考えの宮崎さんとの違いがわかる。どちらも子どもたちを、人びとを思っているのは同じなのだけど。しかし頭いいんだね、宮崎さんもだけど、こういうアニメを日本が誇るべき云々言うのはわかるんだけど、萌えーをねえ。仕事は辛かったろうが、こういうの憧れてしまう。絵描いてりゃこの道迷わずいったのになあ。鳥獣劇画が楽しみ。2012/09/24
