出版社内容情報
英国とその「非公式帝国」(政治・外交上の独立を保ちつつも、経済・金融面で従属的関係にあった国)であったアルゼンチン。両国の経済史からその間接的な支配構造を明らかにする。
内容説明
イギリスの「非公式帝国」とされたアルゼンチンの真の姿とは?本書では、19世紀後半から第二次世界大戦までの英・アルゼンチン間の経済史を紐解き、「非公式帝国」の構造を明らかにするとともに、その定義・概念を提示する。
目次
第1章 多角的決済システムとアルゼンチン
第2章 ロカ・ランシマン協定とイギリス金融利害
第3章 アルゼンチンの金融制度改革とイングランド銀行
第4章 英・アルゼンチン支払協定と封鎖ポンドの蓄積
第5章 コンコルダンシアによる対米接近の試みとその帰結
補章 英国金融使節団と大不況下のラテン・アメリカ
著者等紹介
佐藤純[サトウジュン]
東北学院大学経済学部教授、文学博士(東北大学)。2004年東北大学大学院文学研究科博士後期課程修了。日本学術振興会特別研究員(PD)、2005年八戸工業高等専門学校講師、2007年同准教授、2009年~2010年ロンドン政治経済学院(LSE)客員研究員、2017年東北学院大学経済学部准教授を経て2018年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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政治外交上独立を保ちつつも経済面で従属 金融面でイギリスに従属していた広大な領域 アルゼンチン側のコラボレーター 多角的貿易システム 一次産品の輸出国として重要な役割 ロカランシマン協定 巨額な投資残高保全 封鎖ペソの問題解決 アルゼンチン中央銀行の設立過程 イングランド銀行の役割 中央銀行の独立性 産業復興銀行 封鎖ポンド蓄積 輸入代金支払いの繰り延べ 人的関係などを通じた外交力交渉力 親英派の抵抗 イギリスの経済的影響力から脱却 債務不履行 正統な中央銀行の創設 ゲームのルール 権力の源 搾取的な側面2025/04/09