内容説明
不思議な夜の庭で恋に落ちた、わたしの姫がさらわれた。精霊の住む瓶を手に、奇妙な仲間たちと空飛ぶ絨毯に乗って、王女をさらう魔神たちが住むという、空中の城へ…。人気作家ジョーンズが描く奇想天外なファンタジー。「魔法使いハウルと火の悪魔」の姉妹編。10代から。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のっち♬
51
魔法の絨毯を買った絨毯商人が権力者の娘に恋をし、魔神に拐われた彼女を追う。夢想癖のある頼りない主人公が異文化に触れて視野を広げるといったもので、お世辞に弱い絨毯、狡賢くて胡散臭い兵士、願いを叶える瓶の精霊、子連れの黒猫も加わって道中を盛り上げ、全編が賑やかな雰囲気に包まれている。主人公が一々大袈裟な美辞麗句を並べたりと文章は滑らかではないが、意匠を凝らした世界観や奔放な展開、皮肉や風刺を効かせつつも終始あたたかい台詞や演出の数々が著者らしい。「姉妹編」ならではのハウルたちの意表を突いた登場や絡みも効果的。2020/07/10
たまきら
40
ソフィーちゃんが1巻なら、2巻は妹さんかな?とワクワクしながら手に取ったら…空飛ぶ絨毯!?怪しい魔法使いにさらわれたお姫様!?1巻のみんなはどこにいるんだ?と読み進め、大笑い。実はみんながすでに登場していたのでした、あ~おかしかった。ソフィーちゃんの活躍っぷりが最高です。3巻も楽しみ楽しみ。2022/03/03
波璃子
27
再読。「ハウルの動く城」の続きだけれど主人公は絨毯商人であるアブダラ。どこが続きなのかと思いながら読み進めていくとだんだん見覚えのある人々が出てきて思わずにっこりした。ジンに攫われた王女さまたちもただ助けを待っているようなよくあるひ弱な王女さまというのではない。王女さま皆が一筋縄ではいかない人ばかりでソフィーやレティーも相変わらず力強く、ジンや男性たちがたじたじだったのがとても痛快だった。読み終わったあと楽しい気分になれる。2015/03/12
shikashika555
24
魔法使いハウルと火の悪魔第2弾。 空飛ぶ絨毯と瓶の中に住む魔神の話が中心で、ハウルやソフィー達は後の方で少し出てくるだけだった。 よく知られた話を細部を変えて著者流にアレンジしたようなお話だったけど、テンポよく読めた。 1話よりシンプルな構成で、ジュニア向けの軽い読み物といった趣き。 ハウルとソフィーは 結婚したのちも好きなことを言い合ってケンカも多いのね(笑)。 とても素敵な夫婦だと思う。 言葉を繕うことは 関係性を遠ざけることと同義に感じるわ。 生きてる限りは 自分の心で生まれた言葉を出さなきゃね。2019/12/24
糸車
22
アニメ映画の「ハウルの動く城」の原作本の続編にあたると聞いて手を出したのだけれど肩すかしをくらった気分。いや、アラビアンナイトみたいでお話そのものは面白かったのですよ。でもソフィーやハウルのその後がどうなったかを知りたかったので、”続編”にしては彼らが登場する場面が少なすぎだと思ってしまって消化不良。変な予備知識を持たずに単体で読んだらもっと楽しめたはずなのにねえ。やはりシリーズものは苦手かも。2015/10/02