出版社内容情報
中国の歴史において、どのように残虐な刑罰があったかを解説した本だが、一読びっくり仰天する。「凌遅(りょうち)」は、できるだけゆっくり切りきざむ刑で、明代の劉瑾は、三日かけて、三千三百五十七刀切りきざまれた。一日目は親指から手の甲、胸部の左右へとそぎ取り、全部で三百五十七刀きざんだ。しょっちゅう気絶するので十分ごとに一息入れた.....。(立花隆『ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術』 176頁、より)
内容説明
凌遅「切りきざみ」、剥皮「皮はぎ」、抽腸「腸引きずりだし」…中国四千年は、残虐きわまりない刑罰の歴史でもあった。厖大な史料を駆使し、刑罰を通じて「中国」の底知れなさと人間存在の魔性に迫った衝撃の書。
目次
プロローグ 酷刑―もうひとつの中国史
凌遅りょうち―切りきざみ
車裂しゃれつ―車ざき
斬首ざんしゅ―うち首
腰斬ようざん―腰きり
剥皮はくひ―皮はぎ
炮烙ほうらく―銅柱やき
烹煮ほうしゃ―釜ゆで
剖腹ほうふく―腹さき
抽腸ちゅうちょう―腸引きずりだし〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さり
9
惨たらしい。残酷な殺され方が、多く書かれている。特に車裂は一番系が重いらしい。皮剥とか殺す方はどんな気持ちなんだろう、影響はないのかななど思った。2023/05/23
富士さん
2
昔ゲテモノ史を集めていた時の名残ですが、おもしろいので今でも本棚にある本。再読。中国史の専門家はこの手のものは遊牧民の影響だと言い、中央アジア史の専門家は爛熟した文明の影響を匂わせてババを押し付け合い、見苦しいことこの上ないのですが、本書はイデオロギー臭さは控えめに潔く人の営みとして理解しており、好感が持てます。著者が文学の専門家らしいので資料の選び方と歴史的な文脈の考察に不安があるのと、現在を過大評価している傾向はありますが。歴史上にありえない事はありえないのだ知っておく事は意味あることだと思います。2015/09/25
じーーーな
1
中国史上にみえる、種々の酷刑 (殆どは死刑) を集めたカタログ。前書きを読む限りでは歴史の暗部を曝し、「野蛮」を克服するための叩き台という建前のようだが……興味が先立つよね。 現代日本では執行過程に意義を見ないから、死刑は原理的に究極の刑罰である。死刑より重い結果をもたらす刑罰は不可能だ。首を括ろうが槍で刺そうが死刑は死刑。「死刑の軽重」は、結果ではなく執行の過程に着目することではじめて見て取れる。 尤も、怖いのは酷刑そのものではなく罪刑法定主義の不在、刑罰の恣意的な運用だということが身に染みてわかる。 2011/11/06
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