内容説明
シェンの友人D・Bマッキーが、謎の「場」で行方不明になった。ドレクスラー博士によると、そこは通常の「場」ではなく、時間の源泉のそばにあり、湧きだした時間が結晶化している「時間鉱山」なのだという。確かに、そこから帰還したD・Bレイモンは、複数の「時間律」の影響で、分離系二重身なる奇妙な現象に見舞われていた。マッキー救出のため時間鉱山に飛んだシェンは、そこで、三人の日本人、ヒロム、キエ、ユキオに出会う。彼らがそこにいるということは、現実世界では昏睡状態であることを示している。ヒロムは交通事故、キエとユキオは、心中を企てたらしい…。シリーズ最大のエピソード、開幕。
著者等紹介
宮部みゆき[ミヤベミユキ]
1960年、東京都生まれ。87年、「我らが隣人の犯罪」でデビュー。『龍は眠る』で日本推理作家協会賞、『火車』で山本周五郎賞、『蒲生邸事件』で日本SF大賞、『理由』で直木賞、『模倣犯』で司馬遼太郎賞、『名もなき毒』で吉川英治文学賞を受賞。ミステリーを中心に、時代小説、SF、ファンタジーなど、エンターテインメント小説の幅広いジャンルで活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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佐島楓
12
導入部からどしんと重い話なのだが、それを過度に意識させない筆が宮部さん。時間の概念の設定が面白かった。そういう解釈があったか! と。五巻に続く。2011/11/14
ひじり☆
9
時間って何!?時間鉱山って…!?難しいけど、そんなよく分からないところに、いくら友達のため、子どものためとはいえ、シェンはよく残ったな…。人間の「しっかり度合い」には相対性理論を適用することができるのだ、に納得。キエにイラッとする。2018/03/16
六花
9
D・B仲間のマッキーが行方不明になった「時間鉱山」へ行くシェンとマエストロ。そこには臨死体験中の日本人キエ、ユキオ、ヒロムの3人がいた。キエとユキオは心中。ヒロムは交通事故。ヒロムはいい子なので無事に帰って欲しい。ユキオはいいとして、キエが死のうとした理由が意外と軽い。恋人に裏切られたくらいで死ぬとか思わないで欲しい。なんかこのシリーズで出てくる日本の女性って皆んな一癖あって好きになれない…(。-_-。)2017/04/27
びぃごろ
9
ラストに向けて、新たなフィールドが現れた。「時間鉱山―温泉のように時間が湧き出している源の近くで、時間が結晶化している場所―」そこには意識不明の人間たちとあえて残ったD・Bマッキーがいる・・・ 考えたこともない概念です→「時間素―時間のもとが流れると、時間律が生まれ、そして世界が構成される」 一緒に飲み食いし、身体にも触れていたのに、突然その人が映像のコマ送りのようにとび、一瞬のうちに消失。目の前でそんなことが起こったら正気が保てなくなる(笑 それもアリの世の中にいるシェンの強さったら(^_^;)2016/08/06
さこぽん
9
”時間”が溢れて結晶化した”時間鉱山”の話。 ←よくこういうの考えられるなぁっと感心。 宮部さんの頭の中はファンタジーなんだ。 行方不明になったマッキーと会えるのか? 新書版のため、残念ながら前編で終わってしまった・・・。 2015/11/01