Tokuma novels
バラバの方を

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  • サイズ 新書判/ページ数 308p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784198505592
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0293

内容説明

大物画家の私設美術館の開館日。展示室のドアを開けると、そこは…死体の山だった。オープンを祝う(呪う)かのごとく、聖者殉教の絵そのままに、老人や少女が、腸を引き出され、乳房を抉られ、歯を抜かれ、針鼠になり…。「聖エラスムスは腸を引き出されて殺されるであろう。聖セバスティアヌスは矢を突き刺されて…」招待客の新聞記者・持田の許に届いた不気味な手紙は、殺人予告だったのだ。血まみれの悪夢、狂気の大事件の幕が開く。

著者等紹介

飛鳥部勝則[アスカベカツノリ]
1964年、新潟県生まれ。新潟大学大学院を修了後、公務員となる。98年、『殉教カテリナ車輪』で鮎川哲也賞を受賞し、デビュー。絵画と物語が融合した独特の作風は「図像学ミステリー」と呼ばれ、一躍読書界の注目を集める
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Kircheis

310
★★★☆☆ 飛鳥部さんの作品の中では、展開が王道本格に近く個人的には好み。ただ余りにもフェアプレー精神が強いため真相は序盤で推測できてしまう。それ故に終盤の多重推理が茶番ぽくなってしまうのが残念。 しかし、単なる本格推理にとどまらないのが飛鳥部作品の魅力であり、事件に関わった者たちはどんどん狂っていく。ドグラマグラ感のある終盤の展開は良かった。 また、これまでの作品では魅力あるキャラの無駄遣いが目立っていたが、本作ではしっかり見せ場があって嬉しい。植杉と山瀬のバトルとか小ネタが楽しい笑2024/01/23

W-G

182
面白い。もっと面白く出来たのではと残念に思う気持ちも大きい。かなり盛大でインパクトのある死体劇場だが、そこに至るまでの100ページ近くが、いまいちサスペンスに欠けるせいか、盛り上がりを削がれる。発見時の狂騒も後出しする事で熱を失ったような。。むしろダンス・マカブル等の蘊蓄を謎の手紙に絡めて、死体発見前に持ってきてくれた方が、意欲的に読めた。そういった物語の構成を組み換えるだけで犯人の意外性も随分変わると感じる。しかし、あとがきでは、コンパクトに纏める事も狙いの一つであったようだ。それはそれで成功している。2016/09/03

nobby

89
まず殺意満々の狂人達に視点変えながら描かれるのは、聖者殉教の絵画に見立てて投げ出された惨殺死体群。それは悪戯まがいに届けられていた手紙で示されていて…もう読み出してワクワク止まらず!二章の事件調査は持田目線で語られ分かりやすいが、飛鳥部さんならではの蘊蓄がちょっとスピード感を緩めてるかも…それでも、なるほどな伏線は押さえてあり爽快。ラスト、真相はやはり二転三転して明かされる。狂気や背徳ばかりの背景も健在。個人的に探偵役佐井のキャラがいい!シリーズ化してほしい位(笑)2016/11/22

*maru*

42
飛鳥部さん4冊目。死と愛欲の死体劇場…幕開け。高名な画家の私設美術館開館を祝うパーティ会場で交錯する憎しみの視線。招待客の一人、新聞記者の持田に届いた殺人予告ともとれる手紙の内容通り、展示室は死体アートで埋め尽くされていた。小難しくトリッキーな内容の3作品を先に読んだからなのか、飛鳥部耐性がついたのか…本書が一番読みやすく解りやすかったし、著者の話術に踊らされるのも快感になってきた。守護聖人、タイトルの意味もなかなか深い。ただ、捻りや歪みに過度の期待を抱いてしまった読み手にはちょっと物足りなかったかな。2018/11/09

koma-inu

39
美術館の開館日、展示室を開けると、そこには死体の山が・・。ホラー×絵画×ミステリ。第一部は登場人物同士が生々しい殺害願望を視点を変えて語る、道徳的にどうなんだというストーリー。第三部で、第一部にヒントが巧妙に隠されている事が分かり、ニヤリ。エグい惨殺現場の理由が明かされますが、これまた狂気でした。飛鳥部さん長編の中では、ミステリ部もホラー部も分かりやすいですが、逆にファンとしては物足りなさを感じるという、絶妙な作品。佐井さん、別作品にも出てたかな?2024/01/03

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