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内容説明
薄くたなびく雲の右上に、地平に沈んだ太陽光に輝いているアイランドがあった。青年になって初めて目撃するアーデアスを、ケンサは、思った以上の感慨もなく見つめた―。ケンサ・A・ハーは、自分の運命の真実を知るため、ゲトラ・ゲイが支配するアイランド―かつてのアーデアスであるアイランド・ドウロウへ飛行船・ヴェテールで向かう。そして苦難の末、ついに実の母親・メイハーサンに対面した。「ぼくを殺せという命令は、母上がお出しになったのですか?」―“血の物語”に、いま結着のときがきた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
katka
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富野作品を通じて〈シャア・アズナブル〉というキャラクターを唯一無二のように語る向きからは、以後に続いたジェリド、レーン、ウル、ザギゾア、クロノクルといった一連の青年達が皆〈シャア未満〉のように語られるのかもしれない。ケンサ・ハーの思いの中には確かにシャアの映し鏡が見え隠れする一方、ケンサを追撃し、会うたび負けつつ、決定的だった一言を除いて互いに言葉を交わすこともなく、再三再四の交錯をくり返し別れていくシースという若者は、この中で稀有の成功例だったようにも思える今です。敵たるシース・シマー。2024/11/28