内容説明
天保七年、財政の破綻した薩摩藩は、執政・調所笑左衛門が五百万両の借金証文を焼き捨てて居直り、この暴挙に荷担した大坂商人・浜田屋も所払い三年。だが引き換えに手にした薩摩の黒糖販売権の利益は莫大で、かえって藩は浜田屋に警戒を深める始末。折しも藩主後継をめぐるお由良騒動が勃発して薩摩の藩論は二分、この機に乗じた浜田屋は壮大な野望を巡らせるのだった(表題作)。傑作時代小説八篇を収録。
天保七年、財政の破綻した薩摩藩は、執政・調所笑左衛門が五百万両の借金証文を焼き捨てて居直り、この暴挙に荷担した大坂商人・浜田屋も所払い三年。だが引き換えに手にした薩摩の黒糖販売権の利益は莫大で、かえって藩は浜田屋に警戒を深める始末。折しも藩主後継をめぐるお由良騒動が勃発して薩摩の藩論は二分、この機に乗じた浜田屋は壮大な野望を巡らせるのだった(表題作)。傑作時代小説八篇を収録。