内容説明
『論語』は応神天皇の時代、百済からわが国に伝えられたとされている。『論語』ほど日本人の生きざまに深い影響を与えた書は無いであろう。だが、孔子を《聖人》とみなした従来の伝統的な『論語』の読み方には多くの誤解があるのだ。本書は、理想と現実の狭間に悩みながらも、正しき道を求めてやまない孔子を、歴史の中に描いている。誰もが知っている孔子の言葉が新しい意味をもっていま現代によみがえる。
目次
第1章 塞翁が馬―序にかえて
第2章 不可なれば則ち止む
第3章 沽わん哉、沽らん哉
第4章 鮮いかな腎―論語にまつわる笑談
第5章 賢者は世を辟く―孔子と隠者
第6章 牝鶏晨をつくる―孔子と女子
第7章 紫の朱を奪うを悪む―孔子の変革への志
第8章 論語読みの論語知らず―跋にかえて