内容説明
英国海軍沿岸防備隊第113魚雷艇隊に配属されたクライヴ・ロイス中尉は、海戦の恐怖におののいた。仲間が暗い海に散り、上官も戦死。新任のカービー少佐に運命をあずけたが、少佐は炎上する艇を見捨てた。敵艦の黒い影が目前に迫る。部下を救命いかだに移したロイスは、沈みゆく船上にひとりとどまり、魚雷の引金に指をかけた。それは、生と死を分かつ最後の賭けだった。淒絶な戦いを描く長篇海戦ロマン。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くたくた
41
記念すべきリーマン処女作。さすがに若い頃の作だからか、翻訳の違いなのか、描写が丁寧。主人公クライヴ・ロイス中尉、志願予備役でなんと任官3ヶ月目の20歳!このまだ未熟な中尉が魚雷艇に着任するところから始まり、一人前の魚雷艇艇長に成長するまでを、もちろん恋愛付きで、懇切丁寧に描写してます。彼が尊敬するハーストン艇長もまた若い、23歳。ですがすでに歴戦の勇士の貫禄を備え、ロイスを導き、艦を指揮する。小さな魚雷艇のこと、士官は艇長と先任の二人のみ。あとは下士官と水兵。つまり、ロイスは初心者なれど先任士官なのだ。2020/08/23
魔魔男爵
2
戦闘艦艇で一番雑魚の吹曝しのオープンブリッジの魚雷艇を主役メカにするのはレアで良い。描写やストーリーは並+程度か。ヒーローの20~22才時代の副長と艇長時代が語られる。部下も若くて、17才や18才の金髪碧眼の美少年も出て来るので、腐女子の方は好きなように妄想して下さい。基地の通信兵の美女と簡単にラブラブファイヤーになるのはよくあるパターンで白けるが、彼女を魚雷艇に乗せて出動(出撃ではない)するシーンは、他作品では女性兵士もブイブイと戦っているみたいで期待出来る。女性も男と平等に戦って散る作品を期待する。2011/05/23