内容説明
太平洋戦争のぼっ発と同時に日本軍により占領されたフィリピン。マッカーサーは“アイ・シャル・リターン”の言葉を残して、コレヒドール要塞をあとにした…。そして最終局面を迎えた連合軍の反攻は、フィリピンのレイテ島決戦からルソン島の攻防で幕を閉じる。圧倒的な物量を誇る米軍に、ひとたまりもなく敗北した日本陸軍。広島出身の福山四一連隊の壊滅に焦点を絞り、日本軍の崩壊を浮き彫りにする。
目次
第1部 不運な部隊、福山四一連隊
第2部 ミンダナオの四一連隊
第3部 連合艦隊、レイテに消ゆ
第4部 日本陸軍、レイテの潰滅
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
イプシロン
18
前篇は、マレー戦に参加後転出しニューギニアで最初の壊滅。平壌で再編されフィリピン、レイテ島に投入された福山(広島)四一連隊の第一、第二大隊が壊滅するまでを描く。二十年以降は自活自戦態勢という名の捨て駒にされた事実は想像を絶する悲惨さだ。証言できる生き残りが僅か1名(砲撃を受け人事不祥になっていたところを捕虜にされた)という事がそれを物語ってあまりある。途中、栗田艦隊の謎の反転の記述もあるが、レイテ戦はもはや戦争をしたとは言えないありさまだ。上陸後一度も補給を受けた記憶がないという事実は異常の極致だ。2014/12/19