内容説明
呂后の凄惨きわまる復讐劇と貧婪な権力欲。だが天下は久々の安定を見、経済活動も活発化する。かくて武帝は漢朝創業以来60年の蓄積の上に儒教道徳を核にした支配を確立、さらに異民族にまでこれを及ぼそうとする。
目次
1 女傑君臨(呂后一代記―呂后と恵帝;専権のあと―呂氏と劉氏;舞台裏―張良、陳平、周勃、陸賈)
2 再建への道(新時代の立役者―袁〓と晁錯;酷吏登場―〓都、寧成、周陽由;呉・楚七国の乱―呉王劉〓、膠西王〓)
3 大帝の治世(光と影―武帝の初期;学問は世を飾る―公孫弘と汲黯;経済、法律、道徳―東郭〓陽、孔僅、卜式;屋台骨―張湯;法令強化の果てに―王温舒、杜周;太平の花ひらく―桑弘羊)
4 漢世界の拡大(朔北騎馬の民―匈奴伝;名将軍列伝―衛青、〓去病、李広;汗血馬をもとめて―張騫と絹の道)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
17
呂氏の暴走を止められなかったのは何故かなと思いました。衛青、冒頓単于の話が面白かったです。2024/02/09
のら
1
時代が下がってくるにつれ、高祖・劉邦の周りにいたような魅力的な人物が減り、官僚型のつまらない人物が増えてきた。読んでいて面白くない。匈奴と戦った衛青、李広将軍、西域を探検した張騫のエピソードが読み応えあったくらい。前漢の全盛期とはこんなにがっかりなのか、とまで書いて、思い出した。司馬遷の生きていた時代だし、宮刑に処せられたこと。そりゃ筆も鈍りますわな。控えめだけど武帝のパッとしないことまで、書いてる。司馬遷、気骨の人だ。2014/07/02
ス
0
匈奴の単于の親子の殺し合いは武田晴信と武田信虎の関係を思い出した。荒く濃くした感じ。そのエピソードが最も面白かった。というより他が今ひとつつまらない。統一されている時代は傑物は出にくいのだろうか、作者の司馬遷こそが一番の傑物だと思う。2015/03/06