内容説明
本書は、学習者の主体的な言語活動として「“問い”づくり」を提案します。“問い”づくりは、問いながら読む読み手を育成します。子ども達の“問い”は、物語に対する直観的・感覚的な反応や、解釈を基にした読みどころへの気付きから生み出されます。ただし、そのままでは教室での学びに生かすことができません。重要なことは、子ども達の“問い”が、交流によって更新されていくことです。“問い”づくりは、読みの交流を伴う活動であり、対話を前提とした学習なのです。第1章では、読みの交流にかかわる理論と良質な“問い”が求められる背景を示しています。第2章では、“問い”づくりと読みの交流の学習デザインについて、ねらいや仕組み、授業展開にかかわる方策を提示しています。第3章では、具体的な実践を通して、学習の様子、子ども達の姿を紹介しています。今、自ら課題をもち、解決の中で課題を更新し続ける子ども達の姿が求められています。“問い”づくりは、その要求に答えるものです。
目次
第1章 読みの学習における“問い”と読みの交流(読みの学習と子どもの主体性;読みの学習と読みの交流;読みの学習と“問い”)
第2章 “問い”づくりと交流のある読みの学習(“問い”づくりのねらい;交流のねらい;“問い”づくりの前提;“問い”づくりと交流の進め方)
第3章 “問い”づくりと読みの交流の学習デザイン(単元の流れと全時間の指導のポイント;定番教材の実践例)
著者等紹介
松本修[マツモトオサム]
玉川大学教職大学院教授。栃木県宇都宮市生まれ。筑波大学人間学類を卒業後、栃木県立高等学校国語科教諭として13年あまり勤務。かたわら、宇都宮大学大学院修士課程、筑波大学大学院教育学研究科研究生として学ぶ。上越教育大学国語コース、学習臨床コース、教職大学院を経て現職
西田太郎[ニシダタロウ]
東京福祉大学短期大学講師。広島県呉市生まれ。東京学芸大学教育学部を卒業後、公立小学校(東京都)に15年あまり勤務し、現職へ。その間に玉川大学教職大学院を修了し、現在、日本体育大学大学院教育学研究科博士後期課程で研鑽を積んでいる。国語科学習デザイン学会理事。玉川国語教育研究会代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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