内容説明
本書では、教師の利用する意図的な言葉を、教育言語と捉え、それを第1教育言語と第2教育言語に分けた上で、今日の授業や学びの指導における教育困難の原因とその改善を、とりわけ第2教育言語とそのあり方に求めた。そして教師の教え育てる力の内実を成す、学びの目標と学びの状況に即したその適切な構成、機と文脈に応じたその媒介、子どもの状態や反応を受けてのその修正、さらに子どもとその学びに対する表情のある真摯な受けとめ、という教育言語による「小さな・可動性のある教育」(教育課程や教科書による大きな・不動の教育と対比して)によって、子どもの学ぶ力、教師と子どもとの対話やコミュニケーション、両者の関係構築にも肯定的な変化、確かな効果が生まれることを述べている。
目次
1 第2教育言語とは何か―学びを評価・注釈・支援する第2教育言語とそのヒューマン・パワー(教育言語と学びをリードする第1教育言語とフォローする第2教育言語;第2教育言語の3つの基本形と学びの活性化 ほか)
2 第2教育言語の教育コミュニケーション力―学びをひらく第2教育言語の力(教師のかける第2教育言語の特質とその力;子どもの希求する第2教育言語―教師に発信される子どもの希望)
3 学びを閉ざす第2教育言語―ディスコミュニケーションを生むその一言(学びを閉ざし・奪うもの;ディスコミュニケーションを生む第2教育言語の12の指標)
4 学びをひらく第2教育言語の構成法と話法―子どもを元気にするその一言(学びの数ほど創造できる第2教育言語;学びをひらく第2教育言語の13の構成法)
5 教育言語論序説―子どもと教師の間をひらく教育コミュニケーション技法の探究(今日の教育問題を読み解く1つの見方とその処方箋;教育言語はストレートに教育言語内行為とは結びつかない―指示待ちではなく、独自の判断で行為する子ども ほか)
著者等紹介
山下政俊[ヤマシタマサトシ]
1945年鹿児島県生まれ。現在、島根大学教育学部教授。同教育学部長。専攻、教育方法学(学習指導論、生活指導論、教育相談論)、教育学(教育原理論、教育評価論、教育言語論)
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