文春学藝ライブラリー
私の岩波物語

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  • サイズ 文庫判/ページ数 416,/高さ 16cm
  • 商品コード 9784168130625
  • NDC分類 023.1
  • Cコード C0195

出版社内容情報

岩波書店、講談社、中央公論社等の版元から広告会社まで、日本の言論と出版の百年を自ら主宰した雑誌「室内」の歴史に仮託して論ず。

夏彦流「出版と言論の百年史」

岩波書店、講談社、中央公論社等の版元から広告会社まで、日本の言論と出版の百年を自ら主宰した雑誌「室内」の歴史に仮託して論ず。

内容説明

日本出版界の魁・岩波書店は、日本語のリズムの破壊者だった―自ら主宰した雑誌「室内」の回顧に仮託しながら出版社、広告代理店から関連団体まで語りつくす、近代日本の「出版と言論の百年史」。稀代の名コラムニストの代表作!

目次

私の岩波物語
講談社少々
社員でさえ読まない本「社史」
「暮しの手帖」と花森安治
「室内室外」
暮の二十九日だというのに
建築雑誌というもの
電通世界一
電通以前にさかのぼる
筑摩書房の三十年
金尾文淵堂と小野松二の作品社
赤本
佐佐木茂索と池島信平
中央公論と改造そして文庫
原稿料・画料小史
和紙と洋紙
印刷いま昔
製本屋廃業の辞
取次「栗田書店」の面目
実業之日本社の時代
原稿料ふたたび
「室内」の才能たち
茶話会

著者等紹介

山本夏彦[ヤマモトナツヒコ]
1915(大正4)年―2002(平成14)年。東京・下谷根岸生まれ。10代で武林無想庵とともに渡仏。24歳のとき「年を歴た鰐の話」の翻訳を「中央公論」に発表。戦後には雑誌「木工界」(のち「室内」)を創刊し、自ら主宰する。1984年に「世相を諷刺しながら真の常識の復権へ寄与」したとした菊池寛賞を、1990年に「無想庵物語」で読売文学賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

51
「社史」らしいがこのような面白い社史は初めて。社史であると同時に出版界の歴史を語った一冊。岩波に関しては国語の破壊者と正義を売りものにする愚は以前の『「豆朝日新聞」始末』等と共通。こちらの方が系統だって書かれていて、読んでいて小気味がいいな。各出版社の来歴なども面白く読めた。後半にかけて印刷や製本等今まで出版の歴史の傍流に置かれあまり語られて来なかった世界も描かれ、こちらは何となく読んでいて粛然とさせられるよう。著者のコラムほどではないが、寸鉄人を刺す様な箇所が見受けられ貪るように読んだ事を思い出した。2016/05/26

ステビア

12
どうにもとりとめがなく私は読みあぐねた…。2020/04/08

CTC

8
16年文春学藝ライブラリー、単行本は94年。山本夏彦氏が主宰した『室内』は『暮しの手帖』に通じるような温かさのある雑誌だった。氏の長男の伊吾さんは新潮の編集者で、focusのサカキバラ顏出しを敢行したやり手。しかし『室内』は継いですぐに休刊。。夏彦さんは『室内』の前には芸術系版元の立ち上げにも関わっていて、出版界の造詣が深い。本書は岩波や講談社などの成立や内輪話を記す。「人は正義だけは売ってはならない」「汚職は国を滅ぼさないが正義は国を滅ぼす」。だから岩波や朝日はおかしくなった、ということですね。2018/03/12

ヴァン

7
 岩波をふりだしに出版業界の盛衰と功罪を独特の文体によって名コラムニストが論じる痛快無比の一冊である。著者の愛情ある明晰な論述は出版業界を陰で支える印刷、製本にまで及ぶ。今日、書籍がふるわなくなってしまった要因が、この本で語られる出版史に覗いているようである。2019/03/17

アメヲトコ

5
書名からは岩波書店についての本のようにも見えますが、それは本書のごく一部に過ぎません。岩波、講談社、筑摩、中公といった大手出版社のエピソードから、広告代理店、赤本、原稿料、紙、印刷、製本、取次まで、出版に関わるあらゆる側面について自らの経験を踏まえて語り尽くした一冊で、とても勉強になります。著者は『木工界』(のち『室内』)誌を主宰していただけあって、建築関係についてもズバズバ斬り込んでいて、そこもまた面白い。2017/02/21

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