出版社内容情報
打ち切り寸前のワイドショー番組制作チームは、状況を打破すべくコメンテーター探しに奔走中。昔気質な上司の方針で「美人女医」を連れて来るつもりが、手違いで色白で太った精神科医・伊良部一郎が出演する羽目に。彼の自由すぎる発言が、令和の悩める人々を笑撃&震撼させる! 大人気の連作短編集シリーズ、待望の第4弾。
【目次】
内容説明
打ち切り寸前のワイドショー番組制作チームは、状況を打破すべくコメンテーター探しに奔走中。昔気質な上司の方針で「美人女医」を連れて来るつもりが、手違いで色白で太った精神科医・伊良部一郎が出演する羽目に。彼の自由すぎる発言が、令和の悩める人々を笑撃&震撼させる!大人気の連作短編集シリーズ、待望の第4弾。
著者等紹介
奥田英朗[オクダヒデオ]
1959(昭和34)年、岐阜県生まれ。プランナー、コピーライター、構成作家を経て作家に。2002年『邪魔』で第4回大藪春彦賞、04年『空中ブランコ』で第131回直木賞、07年『家日和』で第20回柴田錬三郎賞、09年『オリンピックの身代金』で第43回吉川英治文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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bunmei
133
精神科医の伊良部一郎が巻き起こす、痛快な切り口と笑いで彩られた人気の連作短編集。ガマガエルのような風貌の伊良部医師。場を読まないで、人を喰ったような自由過ぎる言動に振り回される人々。しかし、そんな彼の振る舞いは、人が口に出すのに憚られる様な真実や的を得た助言が含まれ、次第に窮地に陥った人々を救い出す魔法の様な力が存在する。そんな伊良部の傍らにいる、クールビューティーな看護師マミコとのアンバランスさが、コミカルさを引き立てている。そんな伊良部医師を訪ねてくる患者も様々で、伊良部医師の荒療法が炸裂する。 2025/09/29
ぼっちゃん
68
文庫で再読。映画館の座席で中の方になってしまうともしトイレに行きたくなった時、謝りながら前を通って出ないといけないので絶対端の席を取るし、遅れてはいけないといつも30分前には着いていたり私もするので、「ピアノ・レッスン」の気持ちはよくわかる。表題作の「コメンテーター」はコロナをゾンビに例えたり、上手い表現だと思った。2025/09/13
アッシュ姉
67
大大大好きな伊良部シリーズ、まさかの続編に狂喜乱舞。ありがとうございます!ありがとうございます!伊良部先生とマユミちゃんの破天荒コンビが健在で、読んでいるあいだ頬がゆるみっぱなし。相変わらず無茶苦茶でぶっ飛んでいるけど、やっぱり名医。患者の心をほぐすだけだなく、読み手のこちらまで癒される。それにしても伊良部家のセレブっぷりがすごいが、全然嫌味じゃなくてむしろ爽快。一郎ママや愛犬も登場して、マユミちゃんの出番も増えてて嬉しい。全編通して面白かったなか、「うっかり億万長者」がマイベスト。2025/09/30
venturingbeyond
62
伊良部シリーズ第4弾。相変わらず常軌を逸した傍若無人キャラながら、病状やその原因となるパーソナリティの診断の的確さ、ケミカルな解決を回避して病因の克服をはかる行動療法のチョイスの適切さと、立派な名医と呼べる臨床実績を今作でも重ねてます。『うっかり億万長者』を除けば、全てコロナ後に発表された作品で、やはり社会的動物たる人間の精神に不調をもたらすのは、求められる社会的役割や規範に過剰適応してしまうこと、あるいは適応できないことに対する自罰的感情の模様。自縄自縛の状況が緩~く解きほぐされる安定の一冊でした。2025/09/15
ベローチェのひととき
52
本屋さんを物色していて入手した本。5編からなる連作短編集。すごく久しぶりに奥田英朗さんを読みました。伊良部先生、マユミちゃん、とても懐かしい。伊良部先生は患者の話しを聞いてから、遊んでいるとしか思えないのにいつの間にか患者の症状は治っている。もしかしたら、伊良部先生は世界一の名医なのかもしれない。今回もいっぱい笑わせてもらいました。ありがとう。2025/10/03
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