内容説明
「結婚」がしたい。でも、恋愛風のやりとりを経るのは面倒にもほどがある―。20年近いひとり暮らしの果てに、自分の世話をしない自分を許せなくなった著者は、同居相手を求めて「偽装結婚」を思い立つ。ほぼ初対面のゲイの男性にSNSで接触をはかったところ、思いがけない好反応がかえって来て…。
目次
ジェラートピケ
エクストレイル
クッキーシーン
チャーンビール
イームズチェア
スポティファイ
ジョイサウンド
ポテトスナック
フレッシュネス
リキッドルーム
エクセシオール
ヤングマガジン
カプリチョーザ
グータンヌーボ
グリーンホール
ニューオータニ
アークロイヤル
サダハルアオキ
ハーゲンダッツ
ポプテピピック
ストロングゼロ
著者等紹介
能町みね子[ノウマチミネコ]
1979年北海道生まれ。茨城県育ち。著書に『逃北 つかれたときは北へ逃げます』『文字通り激震が走りました』『そのへんをどのように受け止めてらっしゃるか』『皆様、関係者の皆様』『正直申し上げて』『結婚の奴』(以上文春文庫)など。現在、「週刊文春」「散歩の達人」ほかでコラムやイラストを連載。ラジオやテレビでも活躍している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAOAMI
10
ゲイ男性との偽装結婚によって能町みね子が何を得たのか。日頃エッセイの類は好きな作家さんでもあまり読まないのだが、先入観無しに(小説のつもりで買って…)読んでみると、まぁ小説っぽくも読めるのでいいか。自分になんら奉仕しない、生活とは呼べない日々をすごしていたところに都合よく出会い、この人となら「偽装結婚」もありかと。結婚という決まり切った定義を打ち破るというかコケにする感じ。いいなと思う。結婚のための恋愛はムリと言う。打算に塗れたくないピュアか。目論んで得た結婚がシックリくる偶然って恋愛しかも成功例でしょ。2025/07/27
バーニング
3
記録によるとソフトカバーを読んだのが2020年2月だったので、5年ぶりの再読となった。その間に自分が当然5歳歳をとっている(前回は30歳だった)しこの間の結婚した友人知人は多くいるので、結婚のリアリティは以前より増している。他方で自分の人生には引き続き結婚は存在しないしこれからもないだろう。まあけど、それはそれで別のいいんじゃないですかね、という感覚になるエッセイだと思った。Twitterフォロワーである斎藤寛子さんの論文も久しぶりに読み返したし、日常の中にこういう「機会」があることが純粋に楽しい。2025/06/19
あやや
2
能町さんの「生活向上のための結婚プロジェクト」本、書店でサイン本に出会えたので読んだ。恋愛を介在させない結婚のはずなのに、このプロジェクトを提案し擦り合わせていく作業は、恋愛における気持ちの確かめ合いに似たものになり能町さんの感情が揺れ動く様に合わせてこちらも揺れてしまった。「誰かのために、一人じゃ作らない料理を作る、誰かのために一人じゃ買わない物を買う」という一文がとても好きだった。2025/07/28
mio
2
ハイコンテクストな日本において「結婚」「恋愛」がとりわけ普遍的なものとして受け入れられすぎている、ということに対して、能町さんが過去の体験をふまえて実験して行く話。すごく面白かった。2025/06/17
ともこま
1
大相撲好きの能町さんとしか存じ上げていなかったけど、前から気になっていたこの本が漸く文庫化されたのを機に手に取った。「結婚」という一般的な形式を取りながら、恋愛性愛抜きの関係性の上に同居するふたり。こういう関係性もいいかもと思った。読み終えて能町さんのこれまでのアレコレを結構知ってしまった感覚になる作品だった。2025/07/13
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