内容説明
那覇市で妻がDVに耐えかねて夫を殺害。翌月には糸満市で自衛隊の戦闘機の墜落事故が発生。民間人が死亡し、沖縄では自衛隊への非難の渦が巻き起こる。那覇地検に異動した冨永真一は2つの事件の担当となり、粘り強い捜査で真相に迫る。貧困、基地、軍用地主。綿密な取材で〈沖縄の闇〉を抉り出した問題作!
著者等紹介
真山仁[マヤマジン]
1962年、大阪府生まれ。同志社大学法学部政治学科卒業。新聞記者、フリーライターを経て、2004年、企業買収をめぐる熱き人間ドラマ『ハゲタカ』でデビュー。07年に『ハゲタカ』『ハゲタカ2』(『バイアウト』改題)を原作とするNHK総合土曜ドラマ「ハゲタカ」が放映され、大きな反響を呼ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
速読おやじ
13
『墜落』は、沖縄の基地問題や日米関係、自衛隊に深く切り込んだ作品でした。戦闘機事故で命を落としたパイロットや民間人に対して、原因がうやむやにされ、真実が政治や国防の名のもとに捻じ曲げられていく。富永検事の徹底的に事実を追及する姿勢は痛快で、楢原のような現場に真摯な人間の存在にも救いを感じた。軍用地主やDV、貧困といった複数のテーマも重層的に描かれており、物語に厚みを加えています。闇の中で正義や真実を貫くことの難しさと、その中でも声を上げ続ける勇気の尊さを教えてくれる一冊。自分は真実に向き合えているだろうか2025/04/20
かずぺん
5
アメリカに対する気遣いが分かります。トランプ関税も同じような気がします。起死回生の一手か無いですね。覚悟すれば出来そうな気がするのですが。2025/07/02
RmB
5
自衛隊機墜落事故と殺人事件、どちらか一つでも物語の主題として十分だと思いますが、本当の主役は沖縄なのかもしれません。2025/06/18
Micky
5
空自のエースパイロットが墜落した。一方、夫を殺害した妻が捕えられた。二つの事件を担当する冨永検事。無関係と思われる二つの事件だが“沖縄“という特殊性がその背景に存在する。 沖縄県民にとって基地は排除すべき存在、では国としての国防も不要か?沖縄返還後もまだまだ残る米軍との軋轢。本土で安穏と暮らす我々には思い至らぬことも多いのだろうなぁ。2025/05/22
くま
5
沖縄を舞台に、殺人事件と航空自衛隊の戦闘機が墜落した2つの事件を担当する冨永検事。本土とは違う沖縄の独特性がよく表現されていたと思う。それにアメリカが絡みより複雑に。面白かったけど色々考えされされた。シリーズとは知らず、1作目2作目も読んでみたいと思った。2025/05/22
-
- 和書
- 聖フランシスコの小さき花