出版社内容情報
実は、まわり道は一番近いのだ。
傑作青春小説がついに文庫化!
中学で友人関係に苦しみ不登校だった沙羅が選んだのは通信制高校。
そこで再会した幼なじみの万葉は、古本屋でアルバイトする青年。
「本という宝を探すにはコツがいる」と彼に教えられるうちに、
沙羅も読書の奥深さに目覚めていって――。
新見南吉、宮沢賢治、松本清張、マリー・ホール・エッツ……小説や絵本など、実際の著名な25冊の本が登場!
大切な人と本でつながる瑞々しい青春小説。
解説・若松英輔
内容説明
中学で友人関係に苦しみ不登校だった沙羅が選んだのは通信制高校。そこで再会した幼なじみの万葉は、古本屋でバイトする青年。「本という宝を探すにはコツがいる」と彼に教えられるうちに、沙羅も読書の奥深さに目覚めていって―。絵本や小説など著名な25冊の本が登場。大切な人と本でつながる瑞瑞しい青春小説。
著者等紹介
中江有里[ナカエユリ]
1973年、大阪府生まれ。法政大学卒。89年芸能界デビュー。数多くのTVドラマや映画に出演。2002年「納豆ウドン」が第23回「NHK大阪ラジオドラマ脚本懸賞」で最高賞受賞。NHKBS2『週刊ブックレビュー』で長年司会を務めた。読書に関する講演や書評も多く手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
piro
39
幼馴染の沙羅と万葉。それぞれの事情で通う通信制高校での再会をきっかけに交流を始めた2人の成長を描いた作品。本を介して2人の距離が縮まっていくと言うストーリーが中江さんらしい。主に中高生向けとの事で、ちょっと青臭さを感じる反面、彼らの親目線で見守る気分にもなりました。中江さんご自身の体験がベースになっていると知り、沙羅の思いは中江さんの思いに重なるのかなと思ったりして、何だか微笑ましくも感じる。多くの本が登場する物語。たまに読んだ事がある本が出てくると嬉しい。彼らのその後も知りたくなるお話でした。2024/09/20
エドワード
35
中江有里さんが通信制高校出身とは知らなかった。時折広告をみかける通信制高校。学校は勉強だけ学ぶ場所じゃない、とはいえ、色々な選択肢は必要だろう。一橋沙羅は中学で友人関係に悩み、通信制高校を選ぶ。保育園の幼馴染み・近藤万葉と再会する。青春を楽しむ彼女たちが美しい。様々な本が出てくる。「ごんぎつね」「点と線」「廃市」「砂の城」…。先に通信制大学へ進む万葉。通常の大学より厳しそうだ。古本屋を営む万葉の叔父をはじめ、本を愛する人々が好きだ。若者はいつの世も将来を模索する。たくさん悩んで、二人の未来に幸いあれ。2024/06/17
kana
24
本に救われたことのある人なら若さを感じつつ腑に落ちることもきっといろいろある本。学生時代に何がやりたいかなんて、それを貫いて叶える人なんて、一握りだし、それがいいことでもないけれど、今を逃したらチャンスを失うみたいに焦るのはわかるし、その時期に読む本から受ける影響が格別なのもわかります。読書体力なさそうな沙羅が大人でも十分敷居の高い本を選んで読むのは驚いたけど、高校の図書室で「赤と黒」や「マルテの手記」を呼ばれるように手に取って読んだのは、かけがえのない思い出で、あながちフィクションでもないと思います。2024/08/21
takaC
21
中江さんの経験が色濃く反映されている話なんだろうと思うと一層感慨深い。2024/10/05
Y.yamabuki
20
幼馴染みの万葉と沙羅は、通信制高校で再会する。本好きの万葉に影響され沙羅も本を手に取るようになる。沙羅の両親は、心配のあまり色々と彼女を急かす。親の立場なら、こうなってしまいそう。そこへ行くと、古本屋を営む万葉の叔父さんは、彼の境遇からか、ゆったりと構えている。お互いを理解している万葉と沙羅の関係がいい。二人のもう少し先も知りたい。若松英輔さんの解説が、作品のより深い理解に繋がった。2024/09/13
-
- 和書
- 家元の女弟子 文春文庫
-
- 和書
- 神祇部 群書類従 第1輯