内容説明
テリーが少年の遺族によって殺された。警察は捜査の終結を宣言するが、刑事ラルフは遺和感を覚える。探偵の手も借り独自に再捜査をはじめたラルフ。過去の類似事件を辿る中で、他人の姿に変身し凶行に及ぶ“アウトサイダー”の存在が見えてきて…。恐怖の帝王が圧倒的緊迫感で不可能犯罪を描く、傑作巨編。
著者等紹介
キング,スティーヴン[キング,スティーヴン] [King,Stephen]
1947年、アメリカ、メイン州生まれ。高校教師を経て、1974年『キャリー』で作家デビュー。代表作に『シャイニング』『ザ・スタンド』『IT』『11/22/63』などがある。初のミステリー作品である『ミスター・メルセデス』でエドガー賞最優秀長編賞を受賞
白石朗[シライシロウ]
1959年、東京生まれ。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ケンイチミズバ
76
悪とは得体の知れないもの。人間のすることとは思えない犯罪。だとすると人間ではないモノが犯人なのかも知れない。可能性を頭から排除しなかった面々はラストでいよいよ。ホリーのキャラがとてもいい。闇に立ち向かう光のようで。ただ、おばあちゃんに近い年齢なんだろうし、内向的で、少し神経過敏にルーティーンを遵守しなくては落ち着かない。そのホリーが物体Xに向かってあれほどの放送禁止用語をぶちかまし、しまいに自作の武器で叩きのめす。家族愛と誠実な気持ちと、そして正義を信じる強い心が悪を倒したのか。それにしても犠牲は大きい。2024/03/15
眠る山猫屋
55
ホリーが超かわいい。ホリーと一緒にウォルマート行きたい。靴下買ってあげたい。さてさて下巻では、アウトサイダーがヒシヒシと近づいてくるのだが、なんならホリーと仲間たちの結束が見事過ぎて、アウトサイダーに勝ち目が全く見えない。ちょっぴり可哀想。小者ジャックが予想外に奮戦したが、ホリー一味には敵わない。仲間たちは魅力的だったが、亡くなってしまった方も。陽気なメキシカン・ユネル警部補やボルトン母子にはまた再会したいな~。もちろん ホリーにもね! 《日本の夏は、やっぱり怪談 其の二 洋編》参加作品2024/08/07
naoっぴ
50
ミステリ風の上巻から、下巻はホラーサスペンスに。この凄惨な事件がすべて人外の存在の仕業だとしたら?ホリー・ギブニーの登場により物語がさらに加速する。これを映像にしたら怖いだろうなと思った。アウトサイダーがバスルームとか夜のダイニングとか鍵を閉めているはずの自宅に現れては脅してくるなんて恐怖。アウトサイダーのナカミもなかなかグロテスクで気味が悪い笑 そういう要素全て引っくるめて、面白くてやめられない一冊でした。『ミスターメルセデス』もいずれ読もう。2024/05/07
ひさか
24
2021年3月文藝春秋刊。2024年1月文春文庫化。驚くべき異能力を持った犯人を追い詰めるホリー・ギブニーが魅力的。下巻も長かったが、ラストで心が晴れた。2024/02/14
Ayako H
16
図書館から。お約束どおりハラハラどきどき!夜には読めません。シャイなホリーがアウトサイダー相手にとっても逞しくて頼もしかった。検事よ、そんなに簡単に立つ位置が変わるならなぜ最初にもう少し考えなかった、と言いたくなるけど〜。ステキなメンバーが亡くなってしまったけどラストはよかった。面白かった。2024/12/04