内容説明
神田明神の裏参道の石段を後ろ向きに降りて足を滑らせた老人には、他人には言えない秘密があった―。宮部みゆき「三島屋変調百物語」シリーズの最新作「氏子冥利」など、練達のベテランから新進気鋭の若手まで5人が、“江戸の祭り”をテーマに競作した出色のアンソロジー。時代小説の粋を味わえること請け合いの一冊!
著者等紹介
西條奈加[サイジョウナカ]
1964年北海道生まれ。2005年『金春屋ゴメス』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。21年『心淋し川』で直木賞受賞
諸田玲子[モロタレイコ]
静岡県生まれ。1996年『眩惑』でデビュー。2003年『其の一日』で吉川英治文学新人賞を、07年『奸婦にあらず』で新田次郎文学賞を受賞
三本雅彦[ミモトマサヒコ]
1990年神奈川県生まれ。2017年「新芽」でオール讀物新人賞を受賞しデビュー
高瀬乃一[タカセノイチ]
1973年愛知県生まれ。2020年「をりをり よみ耽り」でオール讀物新人賞を受賞しデビュー
宮部みゆき[ミヤベミユキ]
1960年東京都生まれ。87年「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。99年『理由』で直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
145
江戸の三大祭り・・神田・山王・三社祭をモチーフに5名の作家陣のアンソロジーを楽しく読んだ。宮部さんの『三島屋変調百物語』最新作は今回も好かった。2024/01/22
ゆみねこ
72
江戸の三大祭り、神田・山王・三社祭りがテーマのアンソロジー。三本雅彦さん、高瀬乃一さんは初読み。宮部みゆき「三島屋変調百物語」の最新作、『氏子冥利』が秀逸!2024/05/24
真理そら
64
5人の作家による江戸の祭りをテーマにした短編集。宮部みゆき、諸田玲子、西條奈加は安定の楽しさ。高瀬乃一さんは未読の「貸本屋おせん」シリーズ、三本雅彦さんは未読の「運び屋円十郎」シリーズの作者とのことこれらのシリーズも読んでみたい。2024/02/04
ひさか
47
オール讀物2023年5月号宮部みゆき氏子冥利、西條奈加祭りぎらい、諸田玲子天下祭、11月号高瀬乃一往来絵巻、書き下ろし三本雅彦関羽の頭頂、の5つの江戸の祭りに関連のあるアンソロジー。三本さん、高瀬さん初読みでしたが、面白い話で、本編も読んでみたくなりました。江戸のお祭りというのは面白い切り口です。宮部さんだけ、ちょっと違う趣きの名作です。2024/02/19
のんちゃん
42
江戸の祭りを題材にしたアンソロジー、5編所収。初めましての作家さんはお一人だけだった。どの作品も江戸の人々が祭りにその期間のずっと前から注力し、祭りの間はその賑わいに我を忘れるほどのめり込む様が描かれている。祭りがこの時代の最大の娯楽だった事をあらためて気付かされた。高瀬乃一さんの『貸本屋おせん』の一編がミステリー仕立てで面白かった。また、未読の宮部みゆきさんの『三島屋変調百物語』の最新作も読め、そのシリーズを読んでみたくなった。お初の三本雅彦さんの『運び屋円十郎』も痛快で底本に興味が湧いた。2024/06/24