内容説明
警視庁捜査一課に所属していた牧しずりは、捜査中の事故で同僚を亡くした責を負い、五年前に職を辞した。ある日、その同僚の息子と名乗る仲本岬人と出会う。彼がもたらしたのは死んだ同僚の事故に関わる意外な情報だった―。あれは、仕組まれたものだったのか?隠された真実に元刑事が挑む傑作ミステリ。
著者等紹介
大沢在昌[オオサワアリマサ]
1956年3月、名古屋市生まれ。慶應義塾大学法学部中退。79年『感傷の街角』で第1回小説推理新人賞を受賞しデビュー。91年『新宿鮫』で第12回吉川英治文学新人賞、第44回日本推理作家協会賞、94年『新宿鮫 無間人形』で第110回直木賞、2001年『心では重すぎる』、02年『闇先案内人』で日本冒険小説協会大賞、04年『パンドラ・アイランド』で第17回柴田錬三郎賞、10年第14回日本ミステリー文学大賞、14年『海と月の迷路』で第48回吉川英治文学賞を受賞する。ベストセラーを次々と書き続けている。22年に紫綬褒章を受章する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ひまわり*
20
初読み作家さん。ある殺人事件の捜査中、同僚が捜査の過程で命を落とす。複雑な胸中を抱えて職を辞した元刑事の牧しずり。息を潜めて静かに生活していたが、亡くなった同僚の息子に出会ったことで、終わったはずの事件が新たな顔を見せ始める。正直、前半半分はノロノロしすぎて飽きもきてもっとコンパクトにできなかったのだろうか、という感想。後半、事件に隠れていたものが見え始めてからはそれまで全く予期してない方向へ展開していき、どう着地するのかと読ませられた。トータルとして面白かったが、長くだらだらした感は否めないかな。2024/03/17
killeerqueen3
5
大沢作品によくある特殊設定の女性刑事ものではなく、オーソドックスな女性主人公のハードボイルド。元刑事の牧しずりが退職する切っ掛けとなった6年前のある事件に再び身を投じていく。派手さはないけれど過去の事件と自分自身に向き合うことになるしずりをきっちりと描いているし、明らかになっていく事件の真相も読んでいてちゃんと楽しませてくれる。しずりと岬人の恋愛展開はいるかなと思ったけど、概ね満足。2024/03/02
蝸牛
4
久々の大沢作品。 女性主人公物は初めて読みました。はじめはウジウジ過去を引きずって感情はぐるぐるしてるし、面倒な主人公だなぁと思ってたのですが、強い人でしたね実は。 同じく女性主人公の魔女のシリーズも読んでみようと思いました。2023/08/06
Naoko Fukumi Fujita
1
大好きな作家の文庫本、巻末によると2015年3月に新潮文庫として刊行とある。その他は解説に詳細があり備忘録として「小説新潮」2010年3月号から2012年2月号にかけて連載、単行本は2013年1月に刊行、2017年にテレビ東京系列でドラマ化。2016年11月東京で雪が降った日、山梨県立図書館で大沢在昌の講演会が開催され参加の機会に恵まれた。その後のサイン会にて別の作品のドラマ化を切望している私に、こちらの撮影の話をしてくださった。女性が主人公の作品はほかにもあれど、「佐伯」姓もお好きなのだなあと感じた。2023/11/06
おとなし
0
☆☆☆2024/10/13