内容説明
大工として生計を立てる傳次郎は、娘のおすみと二人で暮らしている。おすみの祝言が決まった途端、傳次郎はそっけない態度をとるようになり…。不器用な父と娘の情を描いた表題作や、晩年の清水の次郎長を主人公にした「言えねえずら」など、まっすぐにしか生きられない、心優しい人々を描いた人情小説全8篇を収録。
著者等紹介
山本一力[ヤマモトイチリキ]
1948年、高知県生まれ。97年「蒼龍」でオール讀物新人賞を受賞。2002年『あかね空』で直木賞を受賞。15年、その功績により長谷川伸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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佐々陽太朗(K.Tsubota)
60
「男には、やせ我慢がでえじだからさ。」 本書の表題となった短編「ほかげ橋夕景」に出てくる言葉である。このひと言につきる。私が山本一力氏の小説が好きなのは、登場人物にこうした心意気があるからだ。男たるもの、むやみやたらに感情をあらわにするものではない。泣きたかろうが、寂しかろうが、辛かろうが、それをグッと胸に秘め、表に出ないよう我慢するのだ。その我慢は自分のためにするのではない。大切な人への思いやりなのだ。そしてその男の深い思いは、いくら我慢しようとそこはかとなくにじみ出てくるのだ。それこそが一力氏の美学。2023/08/10
ふぅ
4
どれも優しくほっとできる短編ばかり。途中ハラハラとさせられるが最後は良かったとなる(不意峨朗は私の希望とは違ったけれど…)その余韻を味わいながら。私の寝る前読書には最適です。2024/10/16
改造
1
この作家さんの作品が好きです。 「泣き笑い」とか子育て感が良いなあ。2024/03/08