内容説明
1980年代の東大駒場キャンパス。新興宗教系サークルに所属する東大生・葛城陵治の前に現れた鈴葦想亜羅は、複数の宗教をかけもちして、天才的な勧誘活動を行なう“勧誘女王”だった。やがて想亜羅も入会した葛城たちのサークルと反カルトの学生たちとのいさかいの中、駒場寮で殺人事件が発生する。犯人は想亜羅なのか?
著者等紹介
小森健太朗[コモリケンタロウ]
1965年、大阪生まれ。1982年、史上最年少の16歳で、処女作『ローウェル城の密室』が第28回江戸川乱歩賞最終候補作となる。1989年、東京大学文学部哲学科を卒業。同大学院教育学研究科博士課程に進む。1994年『コミケ殺人事件』で本格デビュー。2008年『探偵小説の論理学』で第8回本格ミステリ大賞評論・研究部門賞、2010年『英文学の地下水脈』で第63回日本推理作家協会賞(評論その他の部門)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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gonta19
123
2023/5/5 喜久屋書店北神戸店にて購入。 2023/6/29〜7/6 なんと10年ぶりの小森作品。東大駒場キャンパスを舞台に、新興宗教に関連した連続不審死などを取り扱う。展開はちょっと気に入らないところがあったが、勧誘の女王、鈴葦想亜羅のキャラが良い。続編もあるようなので期待。2023/07/06
よっち
28
新興宗教サークルに所属する東大生・葛城陵治が、朝の勧誘活動中にいくつもの宗教をかけもちして天才的な勧誘活動を行なう鈴葦素亜羅と出会うミステリ。八十年代の東大駒場キャンパスを舞台に、勧誘女王・素亜羅の独特な考え方に戸惑いつつ惹かれてゆく葛城。そんな彼らが足跡のない殺人や宗教団体員を襲う犯人、妹の自殺の真相を探る展開で、キャンパス内の独特な雰囲気や素亜羅の強烈なキャラが印象的でしたけど、意外なトリックになるほどと思いつつもこれで続くなんですか(苦笑)久しぶりに文庫で刊行されたところを見ると続巻出るんですかね。2023/05/17