内容説明
平清盛は中世日本のジョブズ?足利義満はなぜ「日本国王」を名乗ったのか?幕府と将軍が登場し、実権を握る。その幕府は鎌倉から室町へ。さらに北条政子や日野富子などの女性たちも割拠し始め…。全体像がつかみにくい激動の「中世」を、教養の達人がわかりやすく解きほぐす。歴史学者・呉座勇一氏との対談も収録。
目次
第1章 院政の始まり
第2章 平氏政権の実態
第3章 鎌倉幕府の虚実
第4章 モンゴル戦争と悪党
第5章 後醍醐天皇と足利兄弟
第6章 室町幕府の興隆
第7章 下剋上の時代へ
第8章 中世篇まとめ 天皇、公家そして武家
対談 出口治明×呉座勇一「中世を学べば現代がわかる」
著者等紹介
出口治明[デグチハルアキ]
立命館アジア太平洋大学(APU)学長、ライフネット生命保険株式会社創業者。1948年、三重県生まれ。京都大学法学部を卒業後、日本生命保険相互会社でロンドン現地法人社長、国際業務部長等を経て、2006年に退社。ライフネット生命社長、会長を務め、18年より現職。21年1月に脳卒中を発症、約1年の休職後、校務に復帰した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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maimai
5
「古代編」に続いて。やはり面白い。日本の社会の構造がどう変わってきたのか、知識や用語ではなく実感としてわかる。2025/02/10
しゅー
4
★★★知識階級らしくグローバリズム大好きな出口さんは平清盛と足利義満がお好き。エマニュエル・トッドを読んだ後だったので、そんな皮肉なことを考えてしまった。ケナしているわけではなく真っ直ぐに大義を信じられる出口さんの姿勢をまぶしく感じてしまうのだ。ご本人は「出口史観」など恐れ多く、いまのスタンダードな学説を紹介するだけと謙遜なさるが、江戸時代が登場する次の巻あたりで私の感覚とは大きくズレて来そうだ。「近代以前の社会のほうが、短期的願望を人為的に抑え込む必要性をよく理解していた」(『現代経済学の直観的方法』)2023/03/18
yasu hytm
1
少し前に読んだので忘れてしまったところも多いのですが、時折はさまれる関西弁がいい感じでした。内容はしっかりしていて参考になります。2024/12/13
ue3104
1
日本の歴史上、最も人間の欲望によって歴史が作られたのではないかと思う時代のお話。ただ純粋に欲望に従う。今では絶対にありえない世界。2024/03/29
すうさん
0
以前文庫で読んだが今回再読。中世では日本の支配者層が変化し始める時期で、天皇貴族から武士や仏教界の三つの権門体制になるところだから。もちろんそれはそれらが複雑に絡み合い、平安後期から鎌倉、室町と時代の人間模様がその権門を突き動かす。特に平清盛、源頼朝の源平の時代、また足利義満から義持、義教、さらに白河、鳥羽、後白河その後の後醍醐天皇と様々な人間関係が織りなす時代が超・面白い。ドラマチックだ。戦国時代前の応仁の乱は中世時代の縮図だ。巻末での出口さんと呉座勇一の「中世を学べば現代がわかる」という対談は秀逸。2025/01/17