出版社内容情報
●ねえさんには、秘密があった――
高度経済成長期、義父との結婚を迫られたルーは
キャバレー「グランドシャトー」の
No.1ホステス真珠の家に転がり込む。
ふたりは姉妹のように仲睦まじく暮らすも、
莫大な稼ぎがあるはずなのに
下町の長屋に居続ける真珠を
不審に思ったルーは、彼女の過去を探るが――。
“男の作った城”キャバレーが街と女の生き様を照らす、
これは“ひかり”の物語。
内容説明
高度経済成長期、義父との結婚を迫られたルーはキャバレー「グランドシャトー」のNo.1ホステス真珠の家に転がり込む。姉妹のように仲睦まじく暮らすも、莫大な金を稼ぎながら下町の長屋に居続ける真珠をルーは不審に思い過去を探るが―。“男の作った城”キャバレーが街と女の生き様を照らし出す、これは“ひかり”の物語。
著者等紹介
高殿円[タカドノマドカ]
兵庫県生まれ。2000年『マグダミリア 三つの星』で第4回角川学園小説大賞奨励賞を受賞してデビュー。現代舞台の作品から時代ものまで、幅広い作風とストーリーテリングの巧みさで人気を得る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いこ
115
ある事情から19歳で家をでた主人公ルー。キャバレー「グランドシャトー」に拾われ、№2にまで昇り詰め、東京でタレントになり、また戻ってきて72歳になるまでの話。勤めてすぐに№1ホステスの真珠ねえさんと同居することになり、二人は強いきずなで結ばれていく。心優しき真珠ねえさんと機転の利くルー。最強の№1・2。ずっと仲良く暮らしていくはずだったが…。昭和35年頃から平成に入る頃までの話。本物の「グランシャトー」を見たこともないし、大坂に行ったことすらない私でも、ノスタルジックな気持ちになった。2023/10/15
里愛乍
102
あぁ…読み終わってしまった…真珠ねえさんとルーの暮らしぶりが愛しくて、ずっとずっと浸っていたかった。しみじみ思う、ひとって安心して眠れて気持ちが自由でいられる居場所があって、美味しいご飯が食べれていたら、それがずっと続いたら、これほどの幸せってないんじゃないかって。ケンカっ早くてやり手のルーが、真珠ねえさんにだけは可愛い素直な子でいる、このふたりの関係性が堪らなく好き。変わりゆく世の中で、必死に生きた女たち。有名すぎるゆえ、誌面の歌詞を完全無視してあのテーマソングが脳内に流れてたのは許して欲しい。2023/11/11
ナミのママ
82
「あんたらまだやるつもりなんですか。もうばあさんやないですか!」「誰がばあさんや!うちはまだ七十二や!」キャバレー「グランドシャトー」の現役ホステス、ルー。巻頭のコレにやられた。この勢いがたまらない、どんな人生を歩んできたのか?1960年から始まるルーの物語は大阪京橋のキャバレーを軸にNo. 1ホステス真珠との女の物語。昭和から平成への時代の流れ、栄枯盛衰。生きていれば悲しみがある、それでも前を向いて生きる姿に元気をもらった。大阪やこの時代を知っていたらもっと楽しめただろうな。2023/01/13
Kazuko Ohta
65
大阪人なら、行ったことはなくとも名前は知っている京橋グランシャトー。「グランシャトー」やなくて「グランドシャトー」やったん!?と驚きましたが、実存するのは前者ですよね。どこまでがホンマなんですか。この著者のことだから、きっとモデルがいらっしゃいましょう。いわゆるお勉強はでけんでも、人生の機微を知る人たちがここにおる。ルーと共に何十年という時を私も過ごしたような気分になりました。すべての光景を思い浮かべることができるからこそ浸れる小説だという気もして、大阪人以外の人が読んでも面白いのかどうかは聞いてみたい。2024/01/14
紫綺
63
単行本にて読了。関西では有名な、深夜番組や映画前広告でよく聴く「♪グランシャトーへいらっしゃい♫」のフレーズが脳内リフレイン(笑)。実在した総合レジャービルにあったキャバレーをモデルに、ナンバーワンナンバーツーホステスの戦後から現代までの生き様を描く壮大な人情ドラマ。2023/11/20