出版社内容情報
九州を離れ、空也が向かったのは長州藩萩城下。修行を続ける中、お家騒動にまきこまれるが――。新たなライバルも登場する七番勝負。
内容説明
数年にわたって修行の日々を過ごした西国を去ることに決め、福江島から船に乗り込んだ空也は、長州藩の萩城下に降り立った。町の道場を訪れると、図らずも藩主派と家老派による毛利家のお家騒動に巻き込まれることに。家老派と己の“ある因縁”に気づき、藩主派に力を貸すことにした空也は、家老派の企みを阻止すべく動き出す。
著者等紹介
佐伯泰英[サエキヤスヒデ]
1942年、北九州市生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒。デビュー作『闘牛』をはじめ、滞在経験を活かしてスペインをテーマにした作品を発表。99年、時代小説に転向。「密命」シリーズを皮切りに次々と作品を発表して高い評価を受け、“文庫書き下ろし時代小説”という新たなジャンルを確立する。2018年、菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
90
主人公空也の十番勝負のうち第七番目の話です。長崎から山口の萩の城下に登場します。この藩では主君をないがしろにする国家老が幅を利かせています。それに対して主君側は主人公を味方にして最後は主人公の勝負で悪をやっつけてしまいます。そのことを江戸にまで連絡して江戸での対応もつながります。ただここで新たな武者修行のかなり強豪だと予想される若者が出てきます。この人物が今後の勝負にどのような役割を果たすのか気にかかります。2022/05/12
とし
82
空也十番勝負「風に訊け」7巻。九州を離れ今回は長州萩、どんどん成長しながら江戸に向かって行きますね。後は陸続き次巻は何処かな。2022/09/07
TakaUP48
70
初頭に、老爺の鷹匠と共に旅する広島の武者修行者・佐伯彦次郎が登場。空也と対決か!と思いきや…。江戸の磐音宅では、高木麻衣からの届け文で大騒ぎ。空也は、数年に渡った修業地西国を後に、長州萩藩に寄る。宍野六之丞と名乗って、藩の剣術指南を務める平櫛兵衛助の心陰柳生当流道場を訪ね、稽古を所望。そこで知り合った峰村正巳らと、若い萩藩主斉房から藩を乗っ取ろうとしている国家老で当職派頭領毛利佐久兵衛ら一派の動きを制する。萩藩を出る間際、当職派用心棒と七番目の勝負。どうやら、彦次郎との対決は、まだ先になりそうだ。2022/06/04
やま
65
江戸は神保小路の直心影流尚武館道場十代目道場主、坂崎磐音の嫡男、空也の武者修行の物語です。空也は、長崎会所の密偵・高木麻衣と一緒に中国上海でイギリス東インド会社の重役で武器商人の娘アンナを盗賊から救い出します。その帰りに長州萩城下に立ち寄り、長州藩毛利家の御家騒動に巻き込まれます。空也は、若き長州藩士と藩主・毛利斉房を助けて、国家老・毛利佐久兵衛と御用商人の浜中屋七左衛門の悪事を暴きますが。国家老派の凄腕の剣客・東郷四万之助の恨みをかい。東郷と果し合いをする事となります。見事に勝ち。これにて七番勝負。→2022/10/11
yamatoshiuruhashi
54
空也十番勝負の七。長崎からの因縁で萩藩の内紛にかかわることになる。それとは別に妙な武者修行の主従の話が時折混じる。あと三番の勝負のうちにどこでこの線が交わるのか。話はいつものように5章、各章4幕構成。安定のパターン。次巻は9月。2022/05/11
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- 和書
- 比べて悩んで落ちこんで