出版社内容情報
父の遺した多額の借財も完済し、商人としての道が開けた文吉。更に大きな商いに挑戦することを決めるが……。シリーズ第四弾。
内容説明
新薬“元気丸”の商いで、多額の借財を完済した文吉は、不安に駆られていた。良き相談相手でもある医師・手塚良庵が大坂へ遊学することとなったのだ。良庵は江戸を発つ前に文吉に新たな商売を提案する。それは、貴重で高価な利益幅も大きい砂糖の販売だった。しかし、その製造には大きな障害があって―。シリーズ第四弾。
著者等紹介
千野隆司[チノタカシ]
1951年東京生まれ。國學院大学文学部卒業。90年「夜の道行」で第12回小説推理新人賞を受賞。以後、時代小説を中心に活躍中。2018年「おれは一万石」「長谷川平蔵人足寄場」シリーズで第7回歴史時代作家クラブ賞シリーズ賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真理そら
53
今回は黒砂糖に手を出すが、例によって妨害が入って四苦八苦。黒砂糖はそうやって作るのかと勉強になった。遠州屋の若旦那は妨害をやりすぎたので物語から消えてしまうし、文吉とお邑はまとまりそうだしシリーズの終わりが近いのかも。2021/11/14
ひさか
21
2021年11月文春文庫刊。書き下ろし。シリーズ4作目。新しく商うことになった砂糖とそれに深くかかわることになる物貰いの熊、文吉を応援してくれるお邑の二人の話がいつにも増して面白く、頁を繰る手が止まらなかった。悪どい手で邪魔をしてくる商売敵には、怒りを覚えるが、十手持ちの宗助、公平な与力の渋谷らの応援が気持よい。2022/01/28
やな
12
久しぶりの読書、新たな仕事にも慣れて少し余裕も出てきたしまたぼちぼち読んでいこう(^-^)2023/06/25
hiyu
5
スラスラと読み進めることができるが、いくつか疑問が生じないわけではない。とはいえ苦難がありながらも地道に正直にことを進める文吉。これは続きがあるのだろうか。2022/01/17
ぬる燗
2
商売は今も昔も同じです。 お値段の競争はいうまでもないが、やはり信用・信頼が最後にものを言う。 主人公の文吉もいろいろ起こる難問に胃がちぎれる思いだとおもいますが、周りの方々と共に頑張って欲しい。 次の発刊が楽しみです。2022/03/31