出版社内容情報
寡作ながら幻想小説の書き手として、
金原瑞人や川上弘美、西崎憲、穂村弘など、
作家たちからもリスペクトを集めてきた著者、山尾悠子。
泉鏡花文学賞・日本SF大賞・芸術選奨文部科学大臣賞を同時受賞した、
傑作幻想小説が、待望の文庫化です。
・第46回 泉鏡花賞
・第39回 日本SF大賞
・第69回 芸術選奨文部科学大臣賞(文学部門)
シブレ山の石切り場で事故があって、火は燃えにくくなった。
シブレ山の近くにあるシビレ山は、水銀を産し、大蛇が出て、雷が落ちやすい。
懐かしいようで全く不可思議な「不燃」の世界を舞台に繰りひろげられる、稀代の幻想小説。
【1部】 飛ぶ孔雀
シブレ山のふもと、回廊式の川中島Q庭園。
石切り場の事故のために延期となっていた
大茶会は、真夏に催されることとなった。
菓子屋の娘・タエと、異母妹・スワは、
くじ引きで「火を運ぶ女」に選ばれる。
しかし、彼女たちを飛ぶ孔雀が襲うのだった――。
【2部】 不燃性について
仕事帰りに地下公営浴場で、
路面電車の女運転士・ミツに出会った男・K。
しかしミツは、突然姿を消してしまう。
一方その頃、ミツの弟で劇団員のQは、
劇団の資金難のため、シビレ山の山頂の頭骨ラボで働くことに。
地下公営浴場の売店の女職員、
ミツの妹分でダクト屋のセツ、
Qの同僚のトワダ、煙草屋で働く少女B、
掃除会の老人たち……。
人々は次々とシビレ山を登っていくが、
下山できるのは果たして?
内容説明
石切り場の事故以来、火が燃えにくくなった世界。真夏の夜の庭園の大茶会で火を運ぶ娘たちは、孔雀に襲われる。一方、男は大蛇が蠢く地下世界を遍歴し―。煌めく言葉が奇異なる世界へと読者を誘う。不世出の幻想作家による、泉鏡花文学賞・日本SF大賞・芸術選奨文部科学大臣賞、3冠達成の傑作小説。
著者等紹介
山尾悠子[ヤマオユウコ]
1955年、岡山市生まれ。同志社大学文学部国文学科卒業。75年、「仮面舞踏会」(「SFマガジン」早川書房)でデビュー。『飛ぶ孔雀』で、第46回泉鏡花文学賞、第39回日本SF大賞、第69回芸術選奨文部科学大臣賞(文学部門)を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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