内容説明
探偵の佐久間は、施設を逃げ出した雅宗と女子高生・錦織を訣別させた。しかし、彼女が唆したのか雅宗は自殺してしまう。佐久間は、クスリの利権争いに巻き込まれつつも、全ての謎の背後にあるものを探り当てる。それはある自己啓発セミナーと失踪した人気マンガ家との繋がりだった…。新装版で贈る傑作巨編。
著者等紹介
大沢在昌[オオサワアリマサ]
1956年3月、名古屋市生まれ。慶應義塾大学法学部中退。79年『感傷の街角』で第1回小説推理新人賞を受賞しデビュー。91年『新宿鮫』で第12回吉川英治文学新人賞、第44回日本推理作家協会賞、94年『新宿鮫 無間人形』で第110回直木賞、2001年『心では重すぎる』、02年『闇先案内人』で日本冒険小説協会大賞、04年『パンドラ・アイランド』で第17回柴田錬三郎賞、10年第14回日本ミステリー文学大賞、14年『海と月の迷路』で第48回吉川英治文学賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
276
派手な立ち回りこそなかったが、内容的にはまさにハードボイルドそのものだった。説明が過剰で、読者を幾分退屈させるような部分もあるが、終盤からは一気にこれまでの懸案の全てを見事に収束させていった。この結末は最初から構想されていたものなのか、あるいは物語の展開にともなってこのようになっていったのかはわからないが、いずれにせよ読者も納得のいく形で、しかも最終シーンでは緊張感を高めながら、さらに佐久間像にハクをつけて終わらせた。エンディングの一文もなかなか気が利いている。大沢在昌の真骨頂を伝える作品。2024/12/24
もちもちかめ
13
心では重すぎる。警察や司法関係は、事実のみを扱う。心では重すぎるから。じっとり来た言葉。深く重い。息子に自衛官や消防官など公務員になって欲しいと親心で思っているけれど、心では重すぎる、ような仕事。学校の先生だってそうだろう。てか、よく考えたら仕事なんか皆全部そうだろう。心では重すぎる。うわー重い。20年前なので、無惨様として断罪さるべき人物に対してかなり甘っちょろさ全開。現代ではこういう奴は無惨様として粛清されるのです2021/04/19
もちもちかめ
12
心では重すぎる。警察や司法関係は、事実のみを扱う。心では重すぎるから。じっとり来た言葉。深く重い。息子に自衛官や消防官など公務員になって欲しいと親心で思っているけれど、心では重すぎる、ような仕事。学校の先生だってそうだろう。てか、よく考えたら仕事なんか皆全部そうだろう。心では重すぎる。うわー重い。20年前なので、無惨様として断罪さるべき人物に対してかなり甘っちょろさ全開。現代ではこういう奴は無惨様として粛清されるのです2021/04/19
flower0824_
7
薬物依存者の更正施設『セイル・オフ』の相談役をしながら、私立探偵をしている佐久間公。あるお金持ちから失踪した人気漫画家を探す依頼を受ける。闇マーケットで一話一千万円で購入した原画にサインが欲しいという。編集者やアシスタント、マニア向け古書店などを訪ね行方を探す。また施設の方では気にかけていた薬物中毒の少年が姿を消していた。彼を“犬”扱いしていた謎の美人女子高生の存在が引っ掛かかる。薬物、SM、ヤクザ、宗教…。同時進行の調査がいつの間にか複雑にからみ、ひとつの真相にたどり着く超大作。2020/10/18
あっちぐま
4
更生施設相談役と探偵をしている佐久間が高校生の施設入所者と「漫画家を探してほしい」という依頼者の二つの問題を解明すべく動き回るたび、だんだんと絡み合っていく、漫画家・やくざ・女子高生・薬物依存者・薬物・宗教・渋谷…。 最後にたどり着いた時、「あ~やっとたどり着いた~」と読みながら思ってしまうほど、絡み合い過ぎていました。 最後までそれこそ「重い」と思いながらも夢中に読めました。2020/11/14
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