文春文庫
水に眠る

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  • サイズ 文庫判/ページ数 256p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167914394
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

同僚への秘めた思い、途切れた父娘の愛、義兄妹の許されぬ感情……。人の数だけ、愛はある。短編ミステリーの名手が挑む愛の物語。

内容説明

TVディレクターである耕三の家に大学受験を控えた義妹がやってきた。妻が不在のある朝、妹は自分の考えた脚本の内容を語り始める。それは、激しい思慕を抱いて義理の兄の元へ駆ける女の話だった―(「ものがたり」)。著者ならではの美しく繊細な文章で様々な愛の形を描く10の物語。有栖川有栖ら11人による豪華解説を収録。

著者等紹介

北村薫[キタムラカオル]
1949年、埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。大学時代はミステリ・クラブに所属。高校で教鞭を執りながら執筆を開始。89年『空飛ぶ馬』でデビュー。91年『夜の蝉』で日本推理作家協会賞、2006年『ニッポン硬貨の謎』で本格ミステリ大賞(評論・研究部門)、09年『鷺と雪』で直木賞、16年日本ミステリー文学大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mocha

76
裏表紙の紹介文を読んで、恋愛小説集だと思い込んでた。実際は男女間だけでなく家族や知人など〈人と人〉のお話。ちょっとファンタジックだったりSFテイストだったりしつつも、北村薫さんならではの研ぎ澄まされた文章で、短い話の向こうに大きなドラマの広がりが見える。10篇それぞれに超豪華な解説陣が文章を寄せているのがすごい。2021/03/10

ぶんこ

45
感想を書くのが難しい。苦手なのが時々挟まっていた短編集でした。「くらげ」に少し憧れる。自分だけの世界、学校でも職場でも「くらげ」に守られるのは、痴漢や虐めにあっている人には救いでしょう。でも、よく考えてみると怖い世界。サラッと読み進めてしまうが、怖い話が多かったような気がしまう。だからか、読み切るのに時間がかかりました。一話一話に豪華解説があったのが驚き、おーなりさんの解説が秀逸。水彩画のような淡い怖さ。2021/08/27

しん

21
20ページくらいの短編が10入っている短編小説集です。読み終えて一番に思ったのは、どの作品にも共通した静けさを感じる作品だったと言うことです。文章が静けさを感じさせたのか、ストーリーのゆっくりとした流れがそう思わせたのかはわかりません。とても静かな音の無い世界を流れる小さな水の流れの音のような、微かに空気を震わせる小説だったと思います。2021/08/11

こゆび

15
短編集。作者の豊かな知識と温厚な人柄がにじむ長編とは、ひと味違う。掴もうとしても掴めない、たゆたう水のような物語。うまく掬いとることができなかったものもある。想いは物語の奥底で、ゆらめいていた。温かく。冷たく。2020/05/08

DEAN SAITO@1年100冊

4
幻想的で、情緒的で、だけど、(それ故に?)行間が広い。語られない部分に登場人物の心情のひだがある、というか。2022/11/13

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