文春文庫<br> ダブルマリッジ

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文春文庫
ダブルマリッジ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 368p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167914370
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

憲一は自分の戸籍謄本に仰天した。婚姻欄に妻・里美と並んで「ロペス・マリア」なるフィリピン人女性の名前が。いつの間に重婚に?

内容説明

桂木憲一は自分の戸籍謄本に仰天した。婚姻欄に妻・里美と並んで「ロペス・マリア」なるフィリピン人女性の名前が。いつの間に重婚に?そもそも日本では重婚は禁止では?そこには、日本が経済発展の中で置き忘れた「新日系フィリピン人」問題が絡んでいた。国際司法の穴を突く、事実に基づく驚愕の物語。

著者等紹介

橘玲[タチバナアキラ]
1959年生まれ。早稲田大学卒業。2002年『マネーロンダリング』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あすなろ

76
戸籍が乗っ取られた?重婚していることになっている?そんな家族を描く、ある種のペーソスが漂い、冷めた目でみると少々の浅ましい滑稽感もある作品。どうしてこうなるのか?しかし、読みながら以前勤めていた会社での海外駐在員のある一面を思い出し、そこからの複数の話や国際業務部の仲の良い同僚が事後処理に行った話やら諸々思い出したのである。滑稽なと冒頭に記してしまったが、諸々考えさせてくれる作品である。海外赴任中の過ちや一過性の物なのか、それが本気なのか本当になるのか。それを知った両国の縁者達の対照的な行動思考や生き様。2022/02/06

ゆきらぱ

27
戸籍上では重婚になっても、気づかないままであればとりあえず何年も通ってしまうのか、と戸籍の穴を知る。 「じゃぱゆきさん」を絡めた日本とフィリピンの問題が描かれているがほとんど全員自己中心的に行動するのでなかなか共感できない。特にこの憲一という男が大人っぽさがなくて欲に負けてて怖いかも。でも普通のサラリーマンなのに資産は謎にたくさんあるのです。娘のマリも突飛な行動力だった。後書きがまた驚きでさらさらと最後のシーンまで筋書きが書かれていた。余計な事を〜と思った。2023/04/01

zoe

19
戸籍を作るためのルールはいくつかある。記述された事例は常識的に感じる方法でもある。よくも悪くも使い方次第。2022/08/14

mintia

17
映画みたいにハラハラドキドキしながら読んだ。傍目には幸せな家庭の中にも、落とし穴が潜んでいる。また、目を覆いたくなるような社会問題にも直視しないといけない。2020/08/02

majimakira

13
いわゆる新日系フィリピン人として生まれ、日本人の父親の認知を得られぬまま貧困や社会的弱者の立場に苦しむ人々の問題に触れる社会小説として新たな眼を開く助けとなってくれるだけでなく、ミステリーとして、そして家族愛に溢れる小説として、驚く程の衝撃に満ちた作品。ある日突然フィリピン人の妻と息子が戸籍に追加されたのを見た主人公のひとりである憲一も、実の娘が秘密裏に「兄」であるその息子を探し回りながらも、彼自身は結局はその息子の姿を見ぬままになるところに、この問題の深刻さが表されている気がして、色々と考えさせられた。2020/02/23

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