出版社内容情報
日本初の「全文訳」、詳細な訳註収録の決定版「赤毛のアン」シリーズ第四巻。校長となったアンは医師を目指すギルバートと文通する。
内容説明
アン22歳、プリンス・エドワード島の港町で校長となり、風柳荘に下宿する。アンに敵対する一族、冷淡な副校長、隣家の孤独な少女に心痛めるも、アンの明るさと誠実さ、グリーン・ゲイブルズの美しさと住む人々の愛が幸せな明日へ導く。アンから婚約者ギルバートへの恋文で綴る日本初の全文訳・訳註付アン・シリーズ第4巻。
著者等紹介
モンゴメリ,L.M.[モンゴメリ,L.M.] [Montgomery,L.M.]
1874年、カナダ東海岸プリンス・エドワード島に誕生。教職をへて、1908年の『赤毛のアン』で一躍、世界的な人気作家となる。牧師と結婚、2人の息子を育て、生前に20冊以上の著作を発表。英国王立芸術院会員、大英帝国勲章を受章。1942年に、オンタリオ州で逝去
松本侑子[マツモトユウコ]
作家・翻訳家。『巨食症の明けない夜明け』すばる文学賞、『恋の蛍 山崎富栄と太宰治』新田次郎文学賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さつき
81
サマーサイド高校の校長になったアン。婚約者のギルバートはまだ医学生。しばらくは遠距離恋愛が続きます。この作品は大部分がアンからギルバートへの手紙として書かれた書簡体小説で学校での出来事、新しい知人達をめぐる騒動などを中心に描かれています。前作までとは違いアン自身の物語というよりはその周辺のエピソードを詰め込んだ短編集のような印象。子供の頃に読んだ時はそこが少し物足りませんでした。今回解説を読み、今作が『アンの愛情』と『アンの夢の家』の間を埋めるように20年後に執筆されたことを知り納得しました。2020/11/15
みうか
59
赤毛のアン4作目🇨🇦サマーサイドの港町で校長となったアンと医学生のギルバートは遠距離恋愛中💕あんなにツンツンしてたアンだけどギルバートの愛を素直に受け止めてからはちゃんとデレるようになり、お転婆な少女はすっかり落ち着いた大人のレディに。故郷の家族やギルバートとの愛に満たされてる心の余裕からか、新天地でも多くの迷える子羊のハートを癒やします。時代的に劣悪な環境で育つ子供が多い故に、なおさらアンの前向きな姿勢と優しさが温かい。今回は小さなエリザベスとレベッカ・デューが好き♡表紙の猫はダスティミラー✨2021/01/16
まあか
49
どんな困難にもめげずに立ち向かい、道を切り開いていくアンの逞しさに拍手。アンの暮らしは、常に前を向いて、明るい方へと目指していく。もちろん時には失敗するし、みんなに好かれるという訳でもないが、人間らしく、とても好感が持てる。人の奥深さも感じられて、とても楽しく、素敵な気持ちになれる。アンシリーズ、最高!!!!2022/06/02
あたびー
38
松本侑子番アンシリーズ4作目。村岡花子版では「アンの幸福」と題されていたが、解説で作中風を意識した表現が多く、作者の意図を汲んで原題通りにしたということを読み、素晴らしいと思った。サマーサイドで校長職に就いたアンは、地元有力者プリングル家一族のいじめに会うが、ひょんなことから彼らと折り合いをつける。隣家の薄幸の少女エリザベス、気の合わない同僚キャサリン、色々な面々が登場するが、なんと言ってもレベッカ・デュー。ちょっと扱いにくいがこれほどの善人(しかも面白い!)もちょっといない。2024/02/21
baba
36
アンがサマーサイドの校長として赴任した様子をギルバートへの書簡で語る。松本侑子さんの文章がすんなりと入って、街の様子や人々の暮らしぶりが伝わってくる。訳者によるあとがきや注釈も楽しみ。2021/03/07