文春文庫<br> 山本周五郎名品館〈2〉裏の木戸はあいている

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文春文庫
山本周五郎名品館〈2〉裏の木戸はあいている

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  • サイズ 文庫判/ページ数 480p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167910716
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

膨大な山本周五郎の短編群から選びに選ばれた名品――「ちいさこべ」「法師川八景」「榎物語」「こんち午の日」「橋の下」等九編。生涯、膨大な数の短編を遺した山本周五郎。

没後五十年を経た今なお、読み継がれる作品群の中から、選びに選ばれた名品。短編選集決定版の第二巻(全四巻)





大火で焼けた家を自力で再建し、孤児を引き取り奮闘する大工と健気な少女を描く「ちいさこべ」。

将来を誓った男をひたすら待ち続ける女が迎える、無残だがどこか美しい結末「榎物語」。

生きるために暗愚を装い続けた若殿の悲劇「若き日の摂津守」。



ほか、「法師川八景」、「よじょう」、「裏の木戸はあいている」、「こんち午の日」、「橋の下」、「ひとでなし」など、全九篇を収録。



巻末に沢木耕太郎氏による解説エッセイ「彼らを輝かせるもの」を掲載。

山本 周五郎[ヤマモト シュウゴロウ]
著・文・その他

沢木 耕太郎[サワキ コウタロウ]
編集

内容説明

膨大な数の短編から選びに選んだ傑作選第二弾。大火で焼けた家を自力で再建し、孤児たちを引きとり奮闘する大工と娘を描く「ちいさこべ」。将来を誓った男をひたすら待ち続けた女が迎える、無残だがどこか美しい結末「榎物語」。生きるために暗愚を装い続けた若殿の悲劇「若き日の摂津守」。意地を貫いて一層の輝きを放った九編。

著者等紹介

山本周五郎[ヤマモトシュウゴロウ]
1903(明治36)年‐1967(昭和42)年。山梨県生れ。26年、「須磨寺附近」で作家デビュー。『日本婦道記』が43年上期の直木賞に推されるも固辞、以後すべての文学賞を辞退した。『樅の木は残った』など、多くの傑作を遺す

沢木耕太郎[サワキコウタロウ]
1947年、東京都生れ。『テロルの決算』で79年に大宅壮一ノンフィクション賞受賞。『一瞬の夏』(新田次郎文学賞)、『深夜特急』、『檀』、『凍』(講談社ノンフィクション賞)、『キャパの十字架』(司馬遼太郎賞)など常に方法論を模索しつつ、ノンフィクションに新しい地平を開いてきた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

117
沢木さん選択による山本周五郎短篇作品集の第2弾めです。今回は人間の意地という側面に焦点を当てられての9つの作品が収められています。意地というとどちらかというとマイナス的なイメージが強いのですが、ここでは人間を成長させていくいい意味での使い方が多いように感じました。既読のものもいくつかあるのですが、「裏の木戸はあいている」という作品がいいと感じました。あと2冊が楽しみです。2018/06/25

佐々陽太朗(K.Tsubota)

83
「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。」 有名な草枕の一節にもあるとおり、自分の信念や価値観にこだわりを持って生きていくと不自由だ。もっと軽やかな生き方があるし、そのほうが生きて行きやすいことは明らかなのにそれができない。意地というやつである。一般に意地をはるやつは人間が小さい。しかしたとえ死んでも意地をはり通すやつはアッパレである。本書にはそんな人間が織りなす物語九篇が収められている。2018/07/20

キムチ

70
再読繰り返しても、常に新たな江戸期の情景が広がる・・そして人の裏の心の捉え方も。山周さん ほぼ秀作揃いともいえる内容ばかり。今回は「若き日の摂津守」を異なった視点で読め、面白かった。言うならバカ殿を演じる事により、自らの鎧とすべく育てられた人物。長ずる迄、周囲はそれを気づかず、嘲り良いように権勢を私物化して行く。今にも通じて居る様な昏い笑いが有る。子供の頃厳然と存して居た「文壇」今思えば、何と無意味な語か・・山周さんを愛してやまぬ読書人が厚い事を信じてい疑わない。文学に境界線なんて。。2022/10/28

藤月はな(灯れ松明の火)

54
意地=矜持を巡る短編集。だが、碌でなしと世間で評される人への目線はいつも優しい。望月ミネタロウ氏によって漫画化もされた「ちいさこべ」。菊次の視線の意味を誤解していたとおりつが恥じる場面に『顔のない遭難者たち』を思い出す。表題作での「困っていたらお金を貸していたのに…」という人程、金に意地汚い事実や自分が善意でしている事や人によく見られたい為ではないかという葛藤もまた、等身大。「榎物語」は家族から居ないものとされていたさわに対する足助の憤りが、執着によって結局は同族の傷の舐め合いでしかないと分かるのも哀しい2025/04/10

kawa

44
味わい深い逸品のオンパレード。一気に読むのがもったいなくて3日かけてゆっくり読了。編者の沢木耕太郎氏によれば本書のテーマは「意地」だそうな、なるほどぉ。「若き日の摂津守」のラストの痛快さが本書の気持ちの良い締めになっていて秀逸。折に触れて手に取りたい短篇集だ。「こんち午の日」は再読。2021/05/08

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