出版社内容情報
伊賀山峡に潜む忍者探索を助勢した後、大筒輸送に当る叔父宗矩を警護して兵庫助は平戸に赴いた。帰途、宮本武蔵と運命の出遭いが
内容説明
紀州・若山(和歌山)で兵介は宮本武蔵と初めて対面し、その完璧な武芸者ぶりに感動した。武蔵は兵介の立ち会いで石川門太夫と剣をまじえ、門太夫のいさぎよさに感服し、命を取らず気絶させるだけで若山を去った。兵介は改めて武蔵に感じ入るのだった。京に入った兵介と千世は盗賊と闘うが、千世は首に矢をうけて倒れた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
わたなべよしお
11
この巻は基本的に忍者モノです。もちろん、面白いけど、剣豪話としてはやや停滞気味です。2019/03/01
AICHAN
3
有名な話に、兵庫助が尾張徳川家の剣術指南役にあり宮本武蔵が諸国行脚を続けていたとき、名古屋城下で2人が同じ道を違う方向から歩いていきてお互いを見付けた瞬間に「武蔵だ」「兵庫助だ」と察し、無用の争いを避けるため両者とも横道にそれたというまるでマンガのような逸話がある。マンガ的ではあるが両者が出会えば「あり得ただろう」と私は思っていた。だから津本さんがそのシーンをどう描くが楽しみにしていたのだが、津本さんはそれ以前から兵庫助と武蔵を出逢わせてしまった。忍者小説から元に戻ってホッとしたのに。2011/04/08
Noboru Sugiyama
2
宮本武蔵との邂逅があったり、今回は燃える展開が多く一気に読み終わってしまった。兵庫助はとにかく強く、人としても高潔で非の打ち所のない人物に描かれている。また、鳥の言葉を理解したり、神通力で盗賊の姿をさがしたり、忍者以上の能力を持っているので、何があっても安心して見られてしまう。その分、千世を守りたいと思う気持ちがその安定を崩し、エンターテインメントを作っている様に思えた。 吉川英治の「宮本武蔵」をKindleで購入したので、このシリーズが読み終わったら、再度読み返してみようと思う。2018/09/03
えびえび
0
清正との再会。秀頼謁見は裏方で何かと物騒な思惑が入り乱れるお話になったりするものですが、この物語では剣豪の思慮分別が功を奏した結果になりました。再び忍者モノになるのですが、伊賀者の江戸抜けネタをうまく絡めてあって楽しく読めました。2013/03/25