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内容説明
大災厄で文明が滅んだ遠未来。異種知性体・吸血鬼と人類の闘争が続く暗黒の時代―アベルは死んだ。謎めいた青年カインに頭を吹き飛ばされたのだ。悲嘆に暮れるエステルだが、薔薇十字騎士団の暗躍により、アルビオン王女であることが公に。もう一人の王位継承者メアリは、やむなく妹であるエステルの抹殺を決意する。運命はこの姉妹を引き裂かずにはおかないのか?壮大な遠未来黙示録に急展開―汝、目をそらすことなかれ。
著者等紹介
吉田直[ヨシダスナオ]
1969年生まれ。某大学院修士課程修了。1997年、第2回スニーカー大賞受賞作『ジェノサイド・エンジェル 叛逆の神々』(角川スニーカー文庫刊)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェルナーの日記
74
本を読み進めていくうちに最後まで読み終えてしまうことが惜しくなることはないでしょうか?自分にとって本書はその1冊となってしまいました。何度も語ったが、著者が早世してしまったことが真に悔やまれます。本作の終わりが知りたかった。これほど切に願ったことがないくらいの物語の面白さでありました。アベルとケインの決着はどうなったのだろうか?カテリーナさんの病気は…… 教皇庁内の権力争いの行方は?そしてローゼンクロイツ・オルデンとの決着はいかに?コントラ・ムンディ(世界の敵)とは、どういう意味なのか?是非とも知りたい!2016/09/22
harass
39
都合が良いなあ、といいつつも、楽しんでしまった。ヤマ場の連続に娯楽作品の醍醐味を満喫するも、ちと醒めることもあった。いや、物語ってそういうもんだけどねえ。やっぱり素直には楽しめないかと自嘲。まあ王道の良さを再認識できた。著者の急死により、この巻で終わり。登場人物たちの今後や謎は語られないまま。なんとも残念。いろいろ癖があり、途中で読むのやめようかと思ったが、たいしたものだと感心すること多し。2025/09/28
藤月はな(灯れ松明の火)
24
立場が違っていたらメアリーとエステルはいい関係になれたことやジェーンやジャック、トッドなど彼女を信頼し、慕ってくれる人が居たのに母の呪詛と認められなかった過去に囚われ、孤独と屈辱を抱えなければいけなかったメアリーが哀しすぎます。自分のために泣くことも否定することも振りきり、出逢って、永遠に分かたれてしまった人々の想いや祈り、願いを携えて聖女、エステルは自分の戦いの場へ立った。強き志を抱く彼女に光あらんことを。本当は凄いアレッサンドロも戦うべき場で戦うことを誓う。また、彼もエステルと再会できますように。2013/04/23
ノリピー大尉
9
玉座への野心に燃えるメアリ。民衆から圧倒的な支持を受けたエステル。王位継承をめぐる動乱がロンディニウムを包み込む。「私たち、どうして姉妹だったのかしらね。赤の他人だったら、きっと私も他の人たちみたいにあなたのことを好きになれたはずなのに」(315ページ) 未完の大作ではあるが、悲劇の姉妹のエピソードは一応の決着。 「あとがき」には「脳内には最後のシーンまでできていますので、あとはそれを活字にするだけ」との著者のメッセージが。 もう誰もそのシーンを知ることができないことが惜しまれる。 2016/12/04
ちゃか
3
「墓標にはなんと名を刻めばいいのですか、兵士〈ソルジャー〉?」。このシリーズは敵も結構魅力的だから困るよなぁ。騎士団の連中も何するかわからない怖さあるけどどこか惹かれるし。いい展開だった。 2012/03/07
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