文春文庫<br> 闇の歯車

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文春文庫
闇の歯車

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  • サイズ 文庫判/ページ数 256p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167910693
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

馴染みの飲み屋で各々盃を傾ける四人の男。そこに“押し込み強盗”に誘う謎の人物が――。サスペンスタッチの傑作長篇時代小説。江戸市井の人たちの数奇な人生を描いたサスペンス時代長篇。藤沢周平のストーリーテラーとしての力量が発揮された傑作。



深川にある赤ちょうちんの飲み屋「おかめ」の常連である佐之助(博打にはまり賭場で人を刺し、いまは恐喝働きの生活をおくる)、清十郎(不倫関係から駆け落ちした病身の妻と、人目を忍んで暮らす浪人)、弥十(若い頃人を刺したが、いまは楽隠居暮らし)、仙太郎(賭場に借りがあるうえに年上の女おきぬと別れたい、若者)。この四人の一人に、愛想のいい商家の旦那ふうの伊兵衛が、大金強盗の押し込みを働く企てをもちかける。



たがいの身の上を知らない同士の四人が、百両の金にひかれて、闇の方向へ、その歯車をみずから回す決断をくだすーー。



(解説・湯川豊)



時代劇専門チャンネルにて、映像化決定!

藤沢 周平[フジサワ シュウヘイ]
著・文・その他

内容説明

暑い夜だった。そして夜は始まったばかりだった―たたみかけるような文体で冒頭に語られる、四人の男の不運な人生。小さな居酒屋の常連である彼らを“押し込み強盗”にしたたかに誘う、謎の男が現れる。決行は人足が途絶える逢魔が刻…。物語構成の独創性が際立つ、ハードボイルド犯罪時代小説の傑作!

著者等紹介

藤沢周平[フジサワシュウヘイ]
昭和2(1927)年、山形県鶴岡市に生れる。山形師範学校卒。48年「暗殺の年輪」で第69回直木賞を受賞。「白き瓶 小説 長塚節」(吉川英治文学賞)など多数。平成元年、菊池寛賞受賞、6年に朝日賞、同年東京都文化賞受賞。7年、紫綬褒章受章。9年1月逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やま

119
闇の歯車 2018.05発行。字の大きさは…字が小さくて読めない大きさ。盗賊伊兵衛と素人で、近江屋の金を盗む物語です。伊兵衛は、盗みを働く時々に、必要な人数の素人を集めて押し込みを働き、終わると解散する方法で、今まで奉行所に捕まらずに押し込みを働いて来ました。此度も、金を必要とする素人4人を集めて押し込みを行いますが、その後に、次々と死んでいきます最後は皆死んでいくのか…と、思ってしまう成り行きです。藤沢周平さんの本を久し振りに読みました。最後まで読み手を飽きさせない描写に、ついつい引き込まれて行きます。2020/10/08

海猫

117
愛想のいい商家の旦那ふうの伊兵衛が、4人の男たちを押し込み強盗に誘う。時代ケーパー小説というべき内容。4人それぞれ鬱屈や事情を抱えており、強盗するべき理由がある。各人各様が簡潔ながら切実に描かれ、引き込まれてゆく。作品の雰囲気がミステリアスで、ぴんと一本緊張感が通っている。なので犯行の場面はサスペンスフル。人生を賭けた押し込みが結果として金銭を得るとはいかず、それぞれに皮肉な形にはね返る様には悲哀を感じてしまう。藤沢周平作品としては文章も話も硬質な感じだが、読み終わるとやはり藤沢周平作品らしい感慨が残る。2022/02/08

ケンイチミズバ

110
冒頭からそして作品全体のミステリー構成の妙技が素晴らしい。抜き差しならない境遇のキャラクターたちの人間描写が犯罪に手を染めることを決めるまで、そして実行までとその後の悲しい展開への流れが読者を惹きつけます。人の弱い面、ダークサイドに引き摺り込まれるのか、かろうじて抗うのか、各々の前途を心配しながら読んだ。人はこうやって悪の道にはまって行くのか。人の弱みを探り、ここぞのタイミングで話しかけ、言葉匠に話にのせようとする。誘う男は人の心に元から巣くう悪の芽なのかもしれない。そして悪の中にも多少の善が生きている。2021/02/15

佐々陽太朗(K.Tsubota)

104
書き出しの一行にしびれた。「暑い夜だった。そして夜は始まったばかりだった」、ウィリアム・アイリッシュの『幻の女』の書き出しを彷彿とさせる。 五人の悪党が登場する。一緒に押し込みをはたらく。藤沢氏はそのそれぞれに別々の末路を用意する。まるで素材に合わせて料理するように。非情で容赦ない末路もあれば、しんみりとするもの、心が温かくなり未来を予感させるもの。なかなかの名料理人である。2018/05/29

ケイト

73
題名から不穏な空気が漂うなか、居酒屋に4人の常連客。それぞれが抱える心の闇、それにつけ込む一人の男。誘惑に負け悪に手を染めていく男達の心理描写に、鋭い文体に引き込まれる。思わぬ展開にドキドキしたけど、真っ当な人生が一番の幸せだと気づかせてくれる終わり方。2022/10/05

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