出版社内容情報
宮沢賢治 著
別役実 編
不思議な魅力をたたえる賢治の童話15篇を収録。「月夜のでんしんばしら」「やまなし」「毒蛾」「ざしき童子のはなし」「銀河鉄道の夜」「タネリはたしかにいちにち嚙んでゐたやうだつた」「双子の星」ほか。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
66
殆どの作品が既読。しかし、再読する度に初読時に感じた寂しくも懐かしい気持ちが変わらない物語もないだろう。特に「よだかの星」は何度も言葉にできない思いに耽ってしまう。醜い自分を嫌い抜く周囲を恨む事ができず、生きているだけで罪深い自分を許せなかったよだか。彼の血を吐くような存在を否定される事への哀しみと罪悪感、向かった先でも搾取や拒絶があるという無情は余りにも報われない。ラストで彼は本当に報われたのだろうか。自分を責め続けて犠牲にしない限り、報われない生とは何なのか?そして遺されたかわせみはどう思っただろう。2021/12/27
野火*
2
やまなしとセロ弾きのゴーシュがやっぱり好きだな。宮沢賢治は読んでいると心がしんとする。2017/02/13