出版社内容情報
八咫烏シリーズはここから始まった――女子高生・志帆が、故郷の山奥で遭遇したものとは。ついに明らかになる異世界「山内」の秘密。
阿部 智里[アベ チサト]
著・文・その他
内容説明
高校生の志帆は、かつて祖母が母を連れて飛び出したという山内村を訪れる。そこで志帆を待ち受けていたのは、恐ろしい儀式だった。人が立ち入ることを禁じられた山の領域で絶体絶命の少女の前に現れた青年は、味方か敵か、人か烏か?ついに八咫烏の支配する異世界「山内」の謎が明らかになる。荻原規子氏との対談収録。
著者等紹介
阿部智里[アベチサト]
1991年群馬県生まれ。2012年早稲田大学文化構想学部在学中、20歳という史上最年少の若さで松本清張賞を受賞。デビュー作『烏に単は似合わない』は八咫烏の世界を舞台に緻密な世界設定を行い、微妙な心理描写や意外な結末をはらんだストーリーも高い評価を受けた。14年早稲田大学大学院文学研究科に進学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミュポトワ@猫mode
192
八咫烏シリーズ5巻目です。これで今出てる文庫のシリーズは全部読んだことになるのかな。今回も面白かったですが、今回の主人公には、はじめ陽子と同じ匂いを感じて危うく惚れそうになりました。でも、話の主題が別のところにあったので惚れなかったんですが、神様って死ぬよなって思いだしました。神様っていつ死ぬか…それは人に忘れられた時に死ぬんですよ。だから信者を増やそうとするんです。それに、仏は救うが神は祟るって言いますし、日本の神様って結構わがままですよねwま、内容はそんな宗教染みた話ではなく、ちゃんと面白いお話でした2019/02/26
さばかん
162
今までとはちょっと毛色が異なる本作。執筆経緯からして違うらしい。ゆえにちょっと私の好みからは外れる内容となってしまってる。こういうのを最後良い話風に締めるけど、いやいやふざけんなって思ってしまうものでして。まぁ好き嫌いは置いといて、面白くてスイスイ読めた。時系列は刊行順でいいのかな?以上の理由により読後の充実感的なものは得られなかったが、面白いことには変わりがないので、満を持しての第一部完結巻、首を洗って待ってます。2018/06/19
かめりあうさぎ
152
シリーズ第5弾。1年近く待ち続けていたのに2日もかからず読み終わってしまった!読みはじめて「あれ?文章のクオリティが逆戻りしている」と思っていたら、なるほど、高校生の時に書いたモノを手直ししたんですね。しかも烏シリーズはそのスピンオフ的に始まったとは!やはりこのシリーズはこの世界観にこそ魅力が詰まっていると再確認。キャラクターの心情変化が唐突だったり、全体的に説明臭いのは仕方ないとして、これまで謎だったことにもある程度答えが与えられているので、このシリーズの沼にハマってしまった人なら外せない一冊。2018/05/16
あきぽん
150
阿部智里が高校生の時に書いたものをリライトしたもの。「玉依姫」というのは神武天皇のお母さんの名前で、この本のテーマは「母性」です。主人公少女は恋愛もそういうこともしませんが母性に目覚め、少年を育んでいきます。母性のすばらしさだけではなく恐ろしさもちゃんと描いています。日本神話もしっかり勉強しているようです。ファンタジーの世界観構築は荒削りで狭いけれど、独特の面白さがあり、若い作者の成長が楽しみです。2018/11/26
ナイスネイチャ
136
舞台が現代になっていたので、間違えたかな?と勘違いするぐらいでしたが、シリーズで一番面白かった。特に奈月彦が今までの悠然たるキャラが崩れた感が味わえた。次巻も楽しみです。2019/05/13