出版社内容情報
剣豪は、やがて剣を使わぬ境地へとたどり着いた…。無敗の男・卜伝の伝説はいかに作られたのか。「耳袋秘帖」の著者が描く剣豪小説。
風野 真知雄[カゼノ マチオ]
著・文・その他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
taku
21
塚原卜伝が枯れ気味じーさんなんです。タイトルや表紙絵から想像するとおり、肩の力が抜けた味わいがあるけど、戦いはしっかり描く血腥い面も。悩み迷い、無敗の剣豪は剣を使わずに勝つ境地へ。無手勝流に始まり、武蔵との逸話に繋げる演出、弟子の将軍足利義輝や戦国ボンバーマン松永久秀との絡みなど、なかなか楽しませてくれる。こんな卜伝像も一興。2019/07/30
糜竺(びじく)
18
おじいさんになった剣豪の塚原卜伝が主人公のお話。血気盛んでガツガツしてることなく、まさに飄々としているのがいい感じ。2020/09/05
キリン
9
卜伝が出てくる本は初読みです。なかなかユーモラスで面白かった。2018/04/27
Kei Ogiso
7
塚原卜伝、高名な剣豪だけど、意外に女性に食い付いたり、生きるとは?と思いを巡らしたり、絵を描いて喜んでたり俗っぽさがある描かれ方をしていて、親しみが持てる。一方勝利するために徹底的に準備を怠らない様は、正々堂々とかが青臭い考えに思えるほど。武蔵との有名な逸話も、独自の解釈で面白い。2019/02/08
まこ
6
この話、五助が数十年後にト伝さんの話を伝えまわったって感じでいいのかな。だとすると、ト伝さんを飄々とした人物として話し、自分の知らない出来事を取材している様子はなんだか風野先生ご本人を彷彿とさせる。2018/06/10