出版社内容情報
祖父母からも父母からも、勉強しろとはいわれなかったが、外へ出るときは厳重な服装点検をされた。江戸前の気風である。だからいまでも外出のときはいつも身だしなみを調え、ネクタイを締めている――浅田次郎氏の表題作をはじめ61編。前年度の雑誌、新聞などに発表された作品から傑作エッセイを選ぶという恒例の企画も25冊目。「なるほど」と考えさせられる話、心洗われる話が今回も満載です。
内容説明
人前に出るときは「よそいき」の格好で。そんな江戸っ子伝来の教えはどこへ行ったのか…。表題作はじめ、ハッとする話、心なごむ話、思わず語りたくなる話。今年も珠玉の六十一篇を。
目次
ネクタイと江戸前(日本人の底力(佐藤愛子)
魔法使い(篠田桃紅) ほか)
アカシヤの香り(七十年前の三年半(秋山ちえ子)
鞄の提げ方(佐野洋) ほか)
別れが消えた(「天はみづから…」(田辺聖子)
司馬さんと父 二人の蔵書の思い出(末冨明子) ほか)
「真珠湾」はない(たった八日のアフリカ(比企寿美子)
アムール句会(辺見じゅん) ほか)